スーパーチャンク、4年ぶりのニュー・アルバムが完成。前作から一転、豪華ゲスト陣を迎え、この悲惨な時代に感謝すべきことについて語った自身12枚目のアルバム。 (C)RS
JMD(2021/12/22)
Superchunkが過去30数年間に制作してきた全てのレコード同様、『Wild Loneliness』はずば抜けて素晴らしく、感染性が高い。『What a Time to Be Alive』での怒りの後、新しいレコードは、この悲惨な時代に失ったものについてではなく、感謝すべきことについてより多くを語っている。このアルバムでバンドは再び発展の可能性にフォーカスしているようだ。その可能性は、曲自体に組み込まれており、その隠された驚きの中にある。例えば、タイトル・トラックでWye OakのAndy Stackのサックスが入ってくると、曲に全く新しい質感が加わる。それは、「This Night」でOwen Pallettのストリングスが入ってきた時も同じだ。そして、私の一番のお気に入りの驚きは、「Endless Summer」におけるTeenage FanclubのNorman BlakeとRaymond McGinleyのハーモニーだ。コロナの為、Mac、Laura、Jim、Jonの4人は別々にレコーディングを行った。しかし、この方法により、Mike Mills(R.E.M.)、Sharon Van Etten、Franklin Bruno、Tracyanne Campbell(Camera Obscura)等の遠距離からの参加が可能となった。収録曲の中にはパンデミック以前に書かれたものもあるが、「Wild Loneliness」のように、隔離された状況で書かれた曲もある。私は、曲は記憶装置だと考えている。音楽は記憶を上手く結晶化させる。「Detroit Has a Skyline」を聴くと、20年前のデトロイトのライブで一緒に歌っていた自分を思い出す。「Overflows」を聴くと、幼い息子が最も欲していた子守唄として、ゆっくりとしたバージョンを囁くように歌っていた頃に戻る。『Wild Loneliness』は私の人生、そして記憶の一部となろうとしている。それは、あなたの人生の一部にもなるであろう。そして、20年後、50年後、100年後の人たちがこのレコードを聴いて、このアーティスト達が作ったものに感嘆する姿も目に浮かぶ。この憂慮すべき(そして憂慮すべきほど孤立した)時代にアーティストたちが一緒に作り上げたもの、つまり美しさ、可能性、驚きに驚嘆する姿が思い浮かぶのだ。しかし、そんなに長く待つ必要はない。今、驚嘆しよう。(Maggie Smith)
Superchunkは1989年にノースカロライナ州チャペルヒルで結成されたインディ・ロック・バンドだ。メンバーはMac McCaughan(Vo, G)、Jim Wilbur(G)、Laura Balance(B)、Jon Wurster(Dr)の4人。1990年代のチャペルヒルのミュージック・シーンを定義したバンドで、パンク・ロックから影響を受けたDIYのスタイルで活動を行っている。また、Mac McCaughanとLaura BallanceはSuperchunkの作品をリリースする為、インディペンデントのレコード・レーベル、Merge Recordsを1989年に設立。Arcade Fire、Neutral Milk Hotel、Spoon他の作品をリリースし、大きな成功を収めている。Superchunkは現在まで『Superchunk』(1990)、『No Pocky for Kitty』(1991)、『On the Mouth』(1993)、『Foolish』(1994)、『Here's Where the Strings Come In』(1995)、『Indoor Living』(1997)、『Come Pick Me Up』(1999)、『Here's to Shutting Up』(2001)、『Majesty Shredding』(2010)、『I Hate Music』(2013)、『What a Time to Be Alive』(2018)と11枚のアルバムをリリース。2019年にはバンド、及び運営するMerge Records共に活動30周年を迎えた。
発売・販売元 提供資料(2021/12/13)
オーウェン・パレットによるストリングスに加え、アコギやホーンも鳴る12枚目のアルバムは、彼ら流のフォーク・ロック/ソフト・ロックなんて趣も。持ち前のエモさは健在ながら、結成33年という活動歴に相応しい成熟を感じたりも。R.E.M.、ティーンエイジ・ファンクラブのメンバー、シャロン・ヴァン・エッテンが加えたハーモニーも聴きどころ。その顔ぶれにスーパーチャンクというステイタスを今一度知る。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.459(2022年2月25日発行号)掲載)