ドイツ/ベルリンを拠点に活動するピアニストでありポスト・クラシカル界の偉才であるNils Frahm。彼の最新アルバムは自身の膨大な音楽アーカイヴから選抜いた23のソロ・ピアノ曲を集めた2枚組CD『OLD FRIENDS NEW FRIENDS』。2009年から2021年の間に録音された未発表曲を中心に構成された、新作でもなく、また単なるコンピレーションとも趣が異なる、Frahmが12年間取り組んできて、ようやく十分な素材が揃い完成した稀有なアルバムがここに生まれた。
ドイツ/ベルリンを拠点に活動するピアニストでありポスト・クラシカル界の偉才であるNils Frahm。彼の最新アルバムはCD2枚組からなる『OLD FRIENDS NEW FRIENDS』だ。コロナ禍のパンデミックの最中に自身の膨大な音楽アーカイヴを整理したことから生まれた本作は、Frahmが2009年から2021年の間に録音された23のソロ・ピアノ曲によって構成されている。ここに収録された楽曲のほとんどは未発表のもので、これまでの彼のアルバムやプロジェクトから何らかの理由により外されたものだという。新作ではなく、また単なるコンピレーションとも趣が異なる本作は、Frahm曰く「私の音楽的な考え方や演奏方法のすべてを解剖した」作品だそう。
数多の選択肢から絞り込まれたものを集めた『OLD FRIENDS NEW FRIENDS』ではあるが、アルバムのハイライトを上げるのはなかなかに難しい。CD2枚、約80分にも及ぶ本作には、外から遠く聞こえる大雨の音にFrahmが作り出すきらきらとした音の波紋が結びつき流れるような旋律を奏でる「Rain Take」や、彼のペダルワークが繊細なメロディを覆い隠してしまいそうなほど密やかなサティ風の「Wedding Walzer」、思いがけず感動的な「Then Patterns」、絶妙に優美な「Acting」、そして救いと輝きに満ちた「The Chords Broken Down」といった楽曲が収録されている。いずれもアウトテイクとは俄かに信じがたい出来栄えの作品だが、この指摘についてFrahm自身は次のように説明している。
「アルバムに収録されない曲は、最も大胆で勇気のある曲であることが多いのだよ」(1/2)
発売・販売元 提供資料(2021/11/19)
また本作をリリースすることを決めたもう1つの理由に"ボーナス・トラックなどのコンテンツが求められる時代に自身のレガシーを守りたかった"こともあったとFrahmは語る。「脳やハード・ドライヴの特性に、どうしても色々なことを忘れてしまうというものがある。それに私が忘れてしまったものを他の誰かが探そうと私の持ち物を見ることも嫌だと思う。死ぬ前に全部燃やそうとするだろうが、ここにあるのは私が世に出したいと思った作品だ。だからこれは、Nils Frahmのオリジナル作品であって、残り物を誰かがキュレーションした作品とは違うんだ」
絞り込まれた楽曲の中には10年前のものから2年前のものまで含まれており、それぞれ異なるピアノで演奏されている。今まで上手くまとめることが出来なかった楽曲をこうして一つの作品としてまとめ上げたことをFrahmは誇らしく思うと語る。
「まるで花瓶に無造作に花を挿した後に、すごく上手く活けることができたと気づいたような感じだ」
さらにこれらの楽曲をようやく世に送り出すことが出来たことについてこう表現している。「子供が23歳になってようやく家を出た時に"しまった、これは何年も前に出来たことじゃないか"って気づくようなものだね」
12年間取り組んできて、ようやく十分な素材が揃い完成した稀有なアルバム――それが本作『OLD FRIENDS NEW FRIENDS』かも知れない。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2021/11/19)
Old Friends New Friends gathers solo piano pieces recorded by Nils Frahm between 2009 and 2021. None of these tracks have appeared on the artists albums, although some of them have surfaced online through compilations, YouTube, or other means. Recorded in different settings on different instruments, the album has a scrapbook feel, capturing certain states of his life and his artistry over the course of a dozen years. It also has a considerable range of moods and textures, from dry and dusty sketches to the windswept, weathered "Rain Take" and the faded, crackling "Todo Nada." Much of it seems intimate and up close, with clacking keys audible on songs like the stirring standout "Berduxa" and the more mysterious "All Numbers End." "The Idea Machine" has a hissy, vintage sound, as if it were recorded on an ancient device such as a wire recorder. A sequence of tracks in the center of the album, such as "Then Patterns" and "New Friend," contain warm, inviting melodies, with "Corn" having a rolling, train-like rhythm carrying it along. "As a Reminder" switches to billowing, harp-like clusters rather than clearly defined notes, and pieces like "Iced Wood" and "The Chords" continue in this more ambient, textural direction. Even though Old Friends New Friends doesnt contain any obvious epics similar to the most well-known pieces from Frahms ambitious albums like All Melody and Spaces, theres still an abundance of highlights, and even his smaller-scale works can resonate in a big way. ~ Paul Simpson
Rovi