ポルトガルの至宝ジャズ・ピアニスト、マリオ・ラジーニャ
英EDITION RECORDSから放つ3作目
軽やか且つ滑らかなタッチが魅力のピアノ・ジャズ作品
ポルトガルが誇る名ジャズ・ピアニスト/作曲家、マリオ・ラジーニャがEDITION RECORDSからリリースする3枚目のアルバム。ジャズ・クラシック・ファドを融合させた前作「Atlantico」から1年3か月ぶりの新作は、ヨーロッパとアフリカの音楽の両方の要素を併せ持ちつつも、浮遊するような感覚とショパンのようなエレガンスが妙味の一枚に仕上がった。
マリオ・ラジーニャは優れたピアニストであると同時に、美しく叙情的な音楽を物する作曲家でもある。15年以上にわたり活動を共にするトリオで、ポルトガル全土で幅広く演奏を展開。今や、同国で最も有名なジャズ・ミュージシャンとしての地位を確立するまでに至る。ペドロ・ブルメスター、ベルナルド・サセッティ、スターボーカリストであるマリア・ジョアンやジュリアン・アルゲイエスなど、多くの注目アーティストと共演の機会にも恵まれ、国内に留まらずヨーロッパにおける存在感もうなぎ登り。この度、機は熟したと言わんばかりにイギリス気鋭のレーベルEDITION RECORDSからの3作目を発表。満を持して世界へと漕ぎ出し始める。
ポルトガル語で「いかだ」を意味する「Jangada」は、流木の破片を拾い集め、それらを束ねて全体を形成するという語源を持つ言葉。ブラジル、インド、アフリカ、ポップス、ロック、クラシック、そしてジャズ。マリオを形成する様々な音楽のエッセンスが有機的に繋ぎ合わさり、それはやがて一つの音楽として立ち上がる。全ての要素を継違和感なく繋ぎ合わせるのは、シルクのようなと滑らかさと羽毛のような軽さを併せ持つ、唯一無二のピアノの調べ。
17分という長尺のM-(5)が圧巻。しっとりとメロディを奏でる導入部。流麗なピアノソロから一気に発散・爆発する不穏なクライマックス。断末魔の如き不協和音、さざ波を織り交ぜながら静謐に転化していき、徐々に冒頭のメロディに回帰していく後半部。息を付かせぬ展開の連続は、生命・社会・宇宙の一生を見るかのようで、緊張感・高揚感・哀愁に満ちた不思議な曲だ。
美しい旋律、フレージングを愛する全ての人に捧げる、新たなピアノジャズ名盤が誕生した。このいかだに乗り遅れることのないように。
発売・販売元 提供資料(2022/02/03)