Ma Recordings Todd Garginkleを迎え、澄んだ響きの中、美しい音色の録音。大木和音による「S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲」。 (C)RS
JMD(2021/10/09)
Ma Recordings Todd Garginkleを迎え、澄んだ響きの中、美しい音色の録音。
日々のたゆまぬ修練と錬磨に裏打ちされ、演奏力と訴求力に深まりをみせるチェンバリスト、大木和音の進化が止まらまい。この「ゴルトベルク変奏曲」には、その証がしっかりと結晶している。もとより真摯で探求力があり、故 濱田滋郎氏によれば『天晴な根性娘』と称された彼女。今回はよほどの覚悟を持って収録に挑んだようだ。その痕跡は、まさにアリア冒頭の第一音に示されるが、そうした姿勢は各変奏曲の随所からも聴いて取れる。(中村晃也)
【大木和音 プロフィール】
東京藝術大学チェンバロ科、同大学院修士課程修了。オランダ・ユトレヒト音楽院に留学、ソリスト・ディプロマを得て卒業。藝大「安宅賞」受賞。旧奏楽堂においてデビュー・リサイタルに出演。第38回ブルージュ国際古楽コンクール、ディプロマ賞受賞。バロック音楽の再現だけでなく、コンテンポラリー音楽においてもアクティブに表現する。楽器の特性を感覚的に熟知し、音楽の呼吸と楽器の呼吸とを絶妙にコントロールしながら、自分の音楽を構築していく数少ないアーティスト。チェンバロで初のDSD11.2MHz完全無編集マルチ録音によるフランスのバロック作品集『三美神』のレコーディングを成功させ、レコード芸術誌に演奏及び録音のクオリティの高さで絶賛される。
足鍵盤を有する数少ないチェンバロ(クリスチャン・クロール 1770年製レプリカ)を用いて表現する彼女の音楽は、チェンバロが現代まで表現できなかった多くの音楽表現を可能にし、ドビュッシー、アルベニス、グラナドス、モンポウまでも見事に描き出した。近年発表された『Latina/内なる印象』(ラテン名曲集)は、スペイン音楽評論家・濱田滋郎氏から絶賛される。また国内のみならず、ヨーロッパの著名アーティストからの高い評価も受け、話題を呼んでいる。
昨年より無観客ライブ配信にも積極的に出演し、コンサートホールでは見られない演奏テクニックをクローズアップして観客に届けるパフォーマンスが国内外から新たなファンを獲得している。2021年8月に、アルバム『J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲』リリース。世のチェンバロに対する概念を覆す、溢れ出す表現力。色彩豊か且つ壮大な音楽性は、チェンバロの新たな可能性とバロック音楽の優美さを、現代に浮き彫りにした。 ana/records 狩野真
発売・販売元 提供資料(2021/10/05)