ステレオフォニックス 通算12作目のアルバム 『Oocha!』(ウーチャ!)
これまで発売した11枚のアルバムのうち7枚が全英アルバム・チャートで1位を獲得し、イギリス国内のみでアルバム累計セールスが850万枚を記録するなど、過去25年間の同国で最大級の成功を収めてきた国民的ロック・バンド、ステレオフォニックス。彼らの2年半ぶり、通算12作目となるオリジナル・アルバム『ウーチャ!』(Oocha!)。日本では2015年の9作目『キープ・ザ・ヴィレッジ・アライヴ』(Keep The Village Alive)のリリース以来、6年半ぶりにソニーミュージックに復帰してのリリースとなる。昨年デビュー25周年を迎えた節目に発表された「ハンギング・オン・ユア・ヒンジスは、多彩な楽曲で構成された『ウーチャ!』に先駆けてファンの心をワクワクさせる痛快なロックンロール・ナンバー。歪んだヴォーカルと粗削りなギターを聴かせるこの曲にはケリー・ジョーンズのガレージ・ロック愛が久々に活かされており、このバンドの最もラウドだった時代を彷彿とさせる。まさに、彼らが最も得意なことに立ち戻った楽観的かつ反抗的な唸り声なのだ。
フロントマンのケリー・ジョーンズ(Vo/G)は次のように語る。
「"ハンギング・オン・ユア・ヒンジス"は僕の初期ZZトップやもっとダークなマスターズ・オブ・リアリティみたいなものに対する愛、それからイギー・ポップ愛も少し入っていると思う。あと、多分「ザ・バーテンダー・アンド・ザ・スィーフ」(The Bartender and the Thief)時代にも触れているね。何よりも"ウーチャ!"と主張しているアルバムに入っている曲で、ファンに最初に聴いてもらいたかったんだ。前作『カインド』でものすごく感情主導型の内省的な曲をやった後だったから、今回はガツンとくるもの、ファンがちょっと気分を緩めることができるものを出すことにした。アルバム・タイトルは僕とメンバーがスタジオでいつも使っていた言葉で、"よっしゃあ、やろうぜ!"という意味なんだ。僕たちが"ハンギング・オン・ザ・ヒンジス"で伝えたかったエネルギーとオプティミズムが炸裂しているワードだね」 「かなりエモーショナルなアルバムだよ。すごくノスタルジックになる箇所もある。アルバムは全体的にメロディックだ。一旦かけたら次から次へと違うスタイルが出てきて止めたくなくなる感じのアルバムのひとつだね。このバンドの色んなスタイルが表れているよ」
彩りと反抗的なアティチュードを簡潔に鋭く爆発させるアルバム・タイトルは、これまでの彼らの作品にはないポップ・アートのアルバム・ジャケットが完璧に華を添えている。『ウーチャ!』の前作『カインド』は2019年に全英アルバム・チャートで1位を獲得し、次点のカニエ・ウェストの売上枚数を1万枚以上上回った。
発売・販売元 提供資料(2022/01/28)
ウェールズ発の国民的バンドによる、8枚目の全英No.1に輝いた通算12作目のアルバム。数字はさておき、劇的な浮き沈みもなく支持され続ける安定感には改めて驚かされるばかりだ。その安定感は全曲を書くフロントマン=ケリー・ジョーンズの才能にも通じるものだが、ジョージ・ドラコウリアスを共同プロデュースに迎えた今回は初期のストレートなギター・ロックを成熟した演奏で色づけている。デビュー25年の節目に相応しい快作。
bounce (C)狛犬
タワーレコード(vol.460(2022年3月25日発行号)掲載)