書籍
書籍

スタジオジブリの想像力 地平線とは何か

0.0

販売価格

¥
2,750
税込
還元ポイント

販売中

お取り寄せ
発送目安
2日~14日

お取り寄せの商品となります

入荷の見込みがないことが確認された場合や、ご注文後40日前後を経過しても入荷がない場合は、取り寄せ手配を終了し、この商品をキャンセルとさせていただきます。

フォーマット 書籍
発売日 2021年09月01日
国内/輸入 国内
出版社講談社
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784065241325
ページ数 386
判型 46変形

構成数 : 1枚

第一章 絵より先にアニメがあった
第二章 なぜ宮崎アニメでは空を飛ぶのか
第三章 飛翔する力がジブリを創った
第四章 地平線という主人公ーーギブソンと宮崎駿
第五章 恋愛の地平線ーー「天空の城ラピュタ」
第六章 地平線と火の接吻の物語ーー「ハウルの動く城」
第七章 内面空間としての地平線ーー「千と千尋の神隠し」
第八章 地平線の比較文学ーーフォード・黒澤・宮崎駿

  1. 1.[書籍]

……アニメーションの魅力を全面的に開花させたのが、高畑勲さん、宮崎駿さん(以下敬称略)といった人々によって担われたスタジオジブリの作品群であったと、私は考えています。高畑や宮崎といった作り手の仕事の素晴らしさについて私はこれからお話ししたいと思っているわけですが、そのためにはまずアニメーションそのものの魅力について語る必要があります。
(中略)
ルネサンス絵画の本質はアニメだということです。
ボッティチェリの『春』でも『ヴィーナスの誕生』でもいい。たくさんあるラファエロの聖母子像でも『アテネの学堂』でもいい。登場人物はすべて動き出そうとしている。静止画でさえ、いまにも瞬きしようとしている。これはもう、ルネサンス絵画の本質というよりは西洋絵画の本質で、ボッティチェリだろうがラファエロだろうが、レオナルドだろうがミケランジェロだろうが、さらには時代下ってカラヴァッジョだろうが、あるいはレンブラントだろうがフェルメールだろうが、すべてそうです。
ということは、彼らの絵をもとにしてアニメが作れるように出来ているということです。原画もキャラクターも台本も全部そろっている。ボッティチェリ作画、高畑勲監督『春』なんてことがありえたということです。それこそが、イタリア・ルネサンスの魅力の核心であると考えたほうが、よほど分かりが早い。実際、コマーシャル・フィルムなどで、そういうことを試みている例ーーたとえば優しくウィンクする『モナ・リザ』ーーが少なくないわけですが、コンピュータ・グラフィクスの驚異的な発展がこれからどんなことを可能にするか、空恐ろしいほどです。ルネサンス絵画のすべてが動き出すことになるかもしれないわけですから。
(中略)
……その眼で眺め直してみると、ゴンブリッチが援用したジェームズ・J・ギブソンの知覚論や、ルドルフ・アルンハイムの視覚論、エルンスト・クリスのカリカチュア論を含む精神分析的美術論などが、アニメーション探究に役立たないはずがありません。漫画論ーーとりわけ少女漫画論、劇画論ーーについてはもちろんのことです。
西洋ルネサンスとアニメ・ルネサンスを雁行する視覚芸術史上の事件として眺めるというこの考え方は、さらにいろいろ興味深い示唆を含みます。たとえば前者においてはキリスト教が占めた位置を後者においてはエコロジー(生態学)信仰が占めています。終末論として似ているのです。
高畑の作品も宮崎の作品も、大略、このような視点から眺められなければならないと私は思っていますが、しかしそれだけではもちろんありません。
(第一章「絵より先にアニメがあった」より抜萃)

作品の情報

メイン
著者: 三浦雅士

商品の紹介

題名の想像力がこの講義のような本のテーマ。ジブリが何を想像したというのでもなく、その想像が何を手繰り寄せたのかというのでもない。想像力が何か、それがジブリ作品にどんな風に表れているのかということから始めて、著者は作品の主人公が頻繁に空中に浮かび、落ちる、そして走ることも浮遊として描かれるていることに注目する。そもそも飛翔が生物に俯瞰、客観と主観をもたらし、世界を与えたと紐解き、この飛翔の意味への気づきこそがジブリの創造する世界に力を与え、宮崎駿ら、飛翔の天才を生んだという。確かにドローンの不動の視点にはない、揺れ動く飛翔の運動が錯覚を生み、それがアニメという次元をもたらした。
intoxicate (C)高見一樹
タワーレコード(vol.154(2021年10月10日発行号)掲載)

メンバーズレビュー

レビューを書いてみませんか?

読み込み中にエラーが発生しました。

画面をリロードして、再読み込みしてください。