ザ・ナショナル、スフィアン・スティーヴンスやジム・オルークともコラボ、ヴィンセント・ムーン監督による友川カズキのドキュメンタリー『花々の過失』にも出演、多彩なキャリアを持つフランスの前衛チェロ奏者、ギャスパー・クラウスの新作がInFineレーベルから登場。
フラメンコ・ギタリストのペドロ・ソレールを父に持つフランスの前衛チェロ奏者、ギャスパー・クラウスは、ザ・ナショナルのツアー・メンバーにも名を連ね、スフィアン・スティーヴンス、ジム・オルークやバルバラ・カルロッティともコラボ、ヴィンセント・ムーン監督による友川カズキのドキュメンタリー『花々の過失』にも出演、カンヌでも話題を呼んだエマニュエル・グラス監督映画『Makala』のサントラ制作、アランデルのバッハ電化リメイク企画にも参加、などなど、多彩な活動で10年代の初頭からインターナショナルな人気を博してきました。その2013年作『序破急』(坂本龍一、友川カズキ、灰野敬二や石橋英子らの参加でも話題に)以来となる久々のソロ新作。多様な表情を見せるチェロの音色、アンビエントなシンセ、心地よいグルーヴを生むリズミカルなピチカート、ダイナミックな緩急、豊かな音の広がり、シネマティックなムード… 先行シングルのM(3)「Une foule」を筆頭に、ポストクラシカル、エクスペリメンタル、サウンドトラック、インディロック、エレクトロニック音楽からフラメンコ、ヌーヴェル・シャンソンまで、様々なフィールドで経験を積み重ねてきたギャスパーのエクレクティックなキャリアを見事に統合したジャンル不定の佳曲が続出。
発売・販売元 提供資料(2021/08/10)
タンケードは架空のビーチ…裸の男たちは何を思いながらこのビーチで過ごしているのだろうか。前衛チェロ奏者、ギャスパー・クラウスが日本のインプロヴァイザーを招き発表した諸星大二郎によるアートワークも衝撃だった< 序破急>から8年、今作は真のソロデビューといえる作品。すべて彼一人の自作自演でチェロという楽器が放つ音の奥深さをこれでもかと知らしめる。砂の上で踊る友人たち、そのステップはミニマルなピチカートによって刻まれて、寄せては返す波もチェロのレイヤーでどこか物悲しい。彼が想いを馳せるビーチは薄曇り、記憶の彼方で物悲しいシーンとして映し出されている。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.154(2021年10月10日発行号)掲載)