| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2021年09月24日 |
| 国内/輸入 | 輸入盤:国内流通仕様 |
| レーベル | PHI (φ) |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | NYCX-10241 |
| SKU | 4589538771546 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:00:00
【曲目】
カルロ・ジェズアルド(1566-1613):
マドリガーレ集 第5巻(1611)
1. あなたは嬉しそうに歌う、だが
2. 見ていなければ死ぬこともない
3. どこかへ行ってしまえ、わが溜息よ
4. いとも麗しきわが命の君よ
5. おお、悲痛なる喜び
6. どういうことでしょう、婦人よ
7. この上なく幸せな夢とは
8. あなたにとっても、私の苦悩が悩みの種なら
9. わが命にも等しい、その両の眼よ
10. 悩み衰える者がいる、現世からの去り際に
11. 情けをください、と私は泣き叫ぶ
12. おお、あなたはなんと幸福なのでしょう
13. 急ぎ集まれ、恋人たちよ
14. その両目の涙をぬぐってください
15. 私を殺すのか、なんと残虐な人よ
16. ああ、その美しい胸を隠してください
17. 飽くことを知らぬかのごとく
18. しかしあなたは、この容赦ない痛みの元なのだから
19. ああ、なんと暗い昼の光
20. あなたが去るなら、私も留まるのは止そう
21. 好きです、わが命にも等しい方!と
【演奏】
コレギウム・ヴォカーレ・ヘント
ミリアム・アラン(ソプラノ)
バルボラ・カバートコヴァー(メゾ・ソプラノ)
ジェイムズ・ホール(カウンターテナー)
ベネディクト・ハイマス、トレ・トム・デネイス(テノール)
ジミー・ホリデイ(バス)
トーマス・ボイゼン(リュート)
フィリップ・ヘレヴェッヘ(指揮)
【録音】
2020年9月
カルメル教会、ヘント(ベルギー北西部ヴェスト=フラーンデレン州)

※ショッピングカートおよび注文内容の確認画面にてフラゲのお届けになるかご確認ください。
※各種前払い決済をご利用の場合、フラゲは保証しておりません。
※フラゲは配送日時指定なしでご注文いただいた場合に限ります。
読み込み中にエラーが発生しました。
画面をリロードして、再読み込みしてください。
D.スカルラッティの曲は、喩えるなら、
視線の投げかけ方が魅力的というか、顔の角度が微妙で美しい感じなのだ。ポルポラ先生の作品は、気持ちや局面の臨界の動きが美しい。風の動きとピタリと連動している如くのものには驚嘆する。
とにかく、ナポリに繋がる作曲家は強い磁力をもつ抗い難い魅力で、惹き付けられて止まない。
そして、ジェズアルドを聴くことにした。耳をひらく歌唱を探し、本録音を選ぶ。女声高音部が美しく的確だと感じたからだ。声部の重なりや動きも綺麗に層を成し耳に心地よい。歌謡曲が好きな夫に、突然聞かせても「きれいじゃん」と言うほどだ。
私の古楽鑑賞歴は10年以上だが、音楽修辞学など未だに学び得ず、ディスク枚数ばかり重ねる年月となった。蘊蓄より先に聴きながら感じとっていく方が好きなのだが、鑑賞の質向上を願うと理論も大切だ。
“後世の感覚では不協和とも感じられる独特の和声のニュアンス”(CD帯の紹介文より)は、何を表現しているのか。例によって、必要とされる音楽の専門知識に乏しい中で聴いて感じたことは、日常と非日常の境の感覚、気配の切り替わる臨界線、またはその移行に伴う感覚、齟齬から生じる響き、わずかな裂け目から射す光、または皮膚感覚の異なる空気感。つまり、様々な「際」の表現として私には感じられる。
全歌詞が恋愛詩で、正対すると辛いが、多義的にも読める普遍的な表現は心に届く。
ヘレヴェッヘ氏指揮の本録音は、各作品世界の”詩的空間の多層性”(エリス俊子)を各声部の的確な歌唱で美事に表現されていると、私には感じられた。耳をひらき気づきを与えてくれる演奏や歌唱に滅多に出会えないので、当然とするのは躊躇われ、特筆した。
因みに、Tr.14〈その美しい両目の涙を〉を管弦楽向けにストラヴィンスキーが編曲した〈Monumentum pro Gesualdo〉も動画で聴いてみたが、私には圧倒的にジェズアルドの本歌の方が充実していて美しく聞こえる。彼の先進性や普遍的な現代性と特異性からは高い芸術性を感じる。
カルロ・ジュズアルドCarlo Gesualdoの祥月命日(1613年9月8日)に。