グラミーノミネートのネオ・ソウル・シンガー=NAO(ネイオ)
リアン・ラ・ハヴァス、ラッキー・デイ他、豪華アーティスト参加の3rdアルバム『And Then Life Was Beautiful』
ディスクロージャーやムラ・マサの楽曲への客演で一躍注目を浴び、2018年にリリースしたセカンド・アルバム『サターン』が第62回グラミー賞<最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム>部門や英音楽賞=マーキュリー・プライズで<ベスト・アルバム・オブ・ザ・イヤー>にノミネートされた、ネオ・ソウル・シンガー=NAO(ネイオ)。昨年から今年にかけて精力的に新曲をリリースしてきた彼女が、約3年振り、通算3作目アルバム『アンド・ゼン・ライフ・ワズ・ビューティフル』をリリースする。
本作には、ラッキー・デイやサーペントウィズフィートなどの豪華新進気鋭アーティストも参加。また、娘を抱っこ紐で抱えながらレコーディングをしたという「ウーマン feat. リアン・ラ・ハヴァス」、ナイジェリア出身のシンガー=アデクンレ・ゴールドをゲストに迎えたアフロポップ超の「アンティドート」、90年代R&Bを彷彿とさせるギター・グルーヴとドラム・リズムが印象的な「メッシー・ラヴ」の先行シングルも収録されている。
パンデミック中に制作されたニュー・アルバムは、人生の良い面も悪い面も受け入れようというメッセージが込められており、壁に直面した時に、聴き手にも手を差し伸べてくれるような作品になっているという。第一子の出産を経て、ネイオにとって新たな一章を示すアルバムにもなっている。
アルバムについてネイオは以下のように語っている。
「人生は完璧じゃないわ― 山あり谷ありだけど、美しいものにもなる。このアルバムは、正直であり、希望に満ちたものだと思うわ―キラキラしてないし、『最高じゃん!』というノリでもないし、パーティーっぽい作品でもない。でも、辛いことや困難なことがあっても、必ず乗り越えられる、というメッセージが込められた作品なの。それが人生よ。ただひたすら前に進むだけ。でも何よりも、感謝の気持ちにを持って、人生の美しさが見れるようにするの」
先行リリースされた表題曲「アンド・ゼン・ライフ・ワズ・ビューティフル」は、ネイオの代名詞でもあるシルキーヴォイスが際立つ、メロウな楽曲。同時に公開されたパフォーマンス映像では、教会を舞台に、6人の女性コーラスと共に歌唱。終盤ではアカペラも披露しており、ネイオとコーラスの心地よいハーモニーが秀逸だ。
発売・販売元 提供資料(2021/08/05)
UKシーンきっての才媛が放つ3年ぶりの3作目。パンデミックと自身の出産により環境と心境が変化するなかで制作されたという内容は、これまで纏っていた独自のプログレッシヴなサウンドを脱ぎ去った一方で、彼女の芯にある親しみやすい音楽性が前面に押し出されている。Dマイルが手掛けた優美な"Messy Love"や、70年代風味のストリングスが効いた"Glad That You're Gone"、ラッキー・デイとの掛け合いが素晴らしい"Good Luck"など逸曲揃い。全体的にはネオ・ソウルのヴァイブが充満しており、ネイオの甘口なハイトーン歌唱がまろやかなソウルネスを醸す瞬間がたまらない。なかでもリアン・ラ・ハヴァスを迎えた女性讃歌"Woman"は声質の違う両者のハーモニーが絶品な、本作のベスト・トラック。
bounce (C)池谷瑛子
タワーレコード(vol.455(2021年10月25日発行号)掲載)