前作『Sonatine』から3年の時を経て、新しいD.A.N.へと進化を遂げ完成させた超大作『NO MOON』初のコラボ作品も交え、独自のミニマルメロウからクラブ~ヒップホップまで昇華させた待望となるサードアルバム! (C)RS
JMD(2021/08/17)
前作『Sonatine』から3年の時を経て、新しいD.A.N.へと進化を遂げ完成させた超大作『NO MOON』
初のコラボ作品も交え、独自のミニマルメロウからクラブ~ヒップホップまで昇華させた待望となるサードアルバム!
~Revolution Changes 今 時代の変わり目~
センセーショナルな1stアルバムで2016年の音楽シーンの話題をさらったD.A.N.があれから5年。バンドサウンドに拘り続ける中で、EPや2ndアルバムで果敢にチャレンジし常に海外を見てきた3人の新しい挑戦となるアルバム3作目。インストゥルメンタルも挟んだ全12トラックは、ディストピア且つどこまでも美しい情景を浮かばせるSFムービーともいえる一遍の作品となっている。よりエレクトロニックに進化し、テクノ、ハウス~ヒップホップやアブストラクトに傾倒、川上の躍動するドラマチックなドラム、ベース市川のダイナミックな世界を無限に拡げる随所に冴え渡るエレキ・チェロ、そして独自の哲学でマインドトリップするリリックと、これまで以上に自由に舞い、縦横無尽に歌い演じた櫻木のボーカルは圧巻。今作は1stアルバム以来となる<Utena Kobayashi>が、ボーカル、スティールパンで更なる彩りを加えている。
昨年から猛威を振るうパンデミックにより地球規模で大きく変わろうとしているこの時代と向き合い、制作に約一年を要して一曲毎に掛けた計り知れない熱量と、高度なミキシングによる繊細な音の粒子によるレイヤーによってリスナーを深くまで引き込み、表と裏、光と闇、バーチャルとリアル… そんな錯綜した"今"と重なる混沌とした世界へ迷い込んだサウンドスケープを展開。日本が世界に誇るバンドを証明する、2021年日本の音楽シーンを揺さぶるであろう問題作となる一枚。改めてD.A.N.のセンスに翻弄されて下さい。
発売・販売元 提供資料(2021/08/14)
約3年ぶりとなるフル・アルバム。バンド・アンサンブルを研ぎ澄ましてメロウネスを際立たせた前作『Sonatine』の成果を礎にして、この3作目ではエレクトロニクスやポスト・プロダクションを援用しながらクラブ・ミュージックの骨格や質感を旺盛に採り込み、血肉とすることに成功している。アブストラクトな導入から跳ねたビートとベースが立ち現れる"Anthem"、トライバルなボトムスと小林うてなの幽玄な歌が交錯する"Floating in Space"……クールかつ野太いグルーヴと細密に編まれたサイケデリックなサウンドスケープの応酬が凄い。そのディープな音像に溶け込んだヴォーカルが、それでも歌ならではの情緒と言葉とを楽曲にしっかり刻み込んでいるところに彼らの最大の個性が見い出せるかもしれない。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.455(2021年10月25日発行号)掲載)