奇想天外なアイディアで遊び心溢れる作品を数多く生み出すピアニスト、H ZETTMが、ピアノ・ソロ・アルバムをリリース。 (C)RS
JMD(2021/08/07)
奇想天外なアイディアで遊び心溢れる作品を数多く生み出すピアニストH ZETTMが、ピアノ・ソロ・アルバム「記憶の至福の中に漂う音楽」をリリースする。
音楽は内省から始まり、演奏者のものであると同時に、連鎖する聞き手のものでもある。
今作の録音は長野県と山梨県の県境に位置し、八ヶ岳を一望する八ヶ岳高原音楽堂を約2週間借り切って行われた。ここは豊かな自然に囲まれたホールで、総木造りならではの音の響きには定評があり、そのコンサートスケジュールには錚々たるミュージシャンが名を連ねている。
H ZETTM自身も過去にこの場所で幾度もライブを開催しており、狭いスタジオで録音するのではなく、コンサートの開催もままならないコロナ禍において、少しでも生のコンサートに近い音を多くの人に届けたいという想いからこの場所を選んでいる。
今回もCD2枚組の全26曲を収録。ピアノ一台での演奏を基本としつつジャンルを超越した濃密な独自の世界観を展開した作品となった。
ピアノから弦のアンサンブルが展開する美しいサウンドスケープ「Opening」。
スティーブ・ライヒを彷彿とさせる「同期する」「跳躍」「Complex」などで展開されるリズムとの調和はH ZETTMが今までやってきた独演会の延長線上にあると言えるだろう。
美しく静かに鳴り響くピアノ曲「記憶」や、プロコフィエフ、ラベル、ドビュッシーに通ずるかのような「近代「」月「」大いなる外」。H ZETTRIOの「Never Ending」の再構築であるM12「 Fantasia」のストーリー性などピアノ曲から実験的な曲までの多彩と多様性を極めている。そして今回このシリーズ初のゲストとして、H ZETT Mが以前からリスペクトしている京都在住の電子音楽家dagshenma氏がグリッジノイズ、グリッジビートでDisc1 M1「Opening」 と Disc2 M6「12」に参加している。
長引くコロナ禍における現代の質感をリアルに、大いなる共感をもって表現した傑作が新たに誕生したのだと言えるだろう。
発売・販売元 提供資料(2021/08/02)