不確実性と静かな孤独の時代にも、歌は生まれる。 グラミー賞受賞に数々のコラボレーション――現在アメリカン・ミュージック・シーンを牽引するシンガー・ソングライターとして大きく成長したブランディ・カーライルが綴る"この静かな日々の音"。ロックダウンにより生まれた約3年ぶりのニュー・アルバム『IN THESE SILENT DAYS』、完成。アナログLPも同時発売。
2019年2月の第61回グラミー賞にて、"最優秀レコード賞"、"最優秀アルバム賞"、"最優秀楽曲賞"、"最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス"、"最優秀アメリカン・ルーツ・ソング"、"最優秀アメリカーナ・アルバム"と主要3部門を含む計6部門でのノミネートされ、 "最優秀アメリカーナ・アルバム" 、"最優秀アメリカン・ルーツ・ソング"(The Joke)、"最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス" 、 "最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス"(The Joke)を獲得し、大きな話題を呼んだ実力派シンガー・ソングライター、ブランディ・カーライル。現代アメリカーナ/カントリー・シーンの最前線に立つ女性アーティストたちによるコラボレーション・プロジェクト、THE HIGHWOMENのメンバーとしての活躍や、ピクサー映画『2分の1の魔法(Onward)』に主題歌「君が支えてくれた(Carried Me With You)」を提供したりと、現代アメリカン・ミュージック・シーンを牽引するシンガー・ソングライターとしても注目を集める彼女が自身名義としては約3年ぶりとなるニュー・アルバムをリリースする。
待望の新作『IN THESE SILENT DAYS』は、そのタイトルが示唆するように"誰もが活動を停止し、自宅で静かに過ごさざるを得なかった"ロックダウン期間中に形作られた作品である。グラミー賞受賞、マディソン・スクエア・ガーデンでの初となるソールド・アウト・アリーナ公演にツアー、様々なアーティストとのコラボレーションなど、自身のこれまでのキャリアで最大の盛り上がりを迎え、まさに順風満帆といった状況のブランディ・カーライルだったが、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックにより、彼女も自宅に引きこもざるを得なくなり、自身の活動のペースを落とし、自分にとっての優先順位を見直すこととなった。ただ、彼女にとって幸運だったのは、彼女の自宅がシアトル郊外のカスケード山脈のふもとにある90エーカーの広大な敷地にあったこと、またその土地を自身の家族だけでなく、長年のコラボレーターでありバンド・メンバーであるティムとフィルのハンセロス兄弟らと共有していたことだった。そこで彼女は、彼らとともに、ニュー・アルバムのソングライティングに取り掛かったのだった。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2021/08/05)
回顧録『Broken Horses』を執筆するために自身の歴史を深振り返り、掘り下げたことがニュー・アルバムのインスピレーションとなったと語るブランディ。アルバムに収録された10曲には、この他にも受容や信仰、喪失や愛が描かれ、またデヴィッド・ボウイやフレディ・マーキュリー、エルトン・ジョンやジョニ・ミッチェルなど彼女にとって最大のヒーローやインスピレーションの源となるシンガー・ソングライターたちの魂が受け継がれている。ロックダウン中に生まれた楽曲を携え、彼女はナッシュヴィルのRCA スタジオに入り、プロデューサーのデイヴ・コブとシューター・ジェニングスと共にレコーディングに取り掛かった。アルバムで彼女を支えるのは、ティム(Vo./G.)とフィル(Vo./B.)のハンセロス兄弟にデイヴ・コブ(G./Perc)、シューター・ジェニングス(Key)、さらにクリス・パウエル(Dr./Perc)、ジョシュ・ニューマン(Strings)。さらに収録曲「You And Me On The Rock」にはスペシャル・ゲストとしてLuciusのジェス・ウルフとホリー・レーシッグがバック・ヴォーカルに参加している。アルバムからのファースト・シングルとなるのは力強い「Right On Time」。この他にもロマンチックな「You and Me On The Rock」や激しさを感じる「Broken Horses」まで、本作には互いに距離を取り、疎遠になりがちな現代社会のなかでの繋がりや共感を物語に綴っている。
「こんな不確実性と静かな孤独の時代にアルバムを作ったことは、私も双子(ティムとフィルのハンセロス兄弟)もやったことは無かった。ステージ衣装という鎧も、拍手喝さいの喜びも、神聖なステージという舞台もない中で、アーティストとしてここまで丸腰となり、違和感を感じることになるとは思いもしなかった。このような状況にも関わらず、歌は溢れてきた。純粋でありながら演奏されていない、大声でありながら誇り高い、喜びに満ちたものでありながら嘆きに満ちたものが。これらの曲は、自分自身を深く見つめ、考え直していた時期に自宅の納屋で作ったもの」そう彼女は新作について語り、こう続ける。「このアルバムはドラマと喜びが混ざったもの。抵抗に感謝、正義の怒りと根本的な赦し。これこそが、この静かな日々の音なのです」(2/2)
発売・販売元 提供資料(2021/08/05)
Brandi Carlile had her breakthrough with 2018s By the Way I Forgive You, an album released 13 years after her debut. Having a rich body of work at the point she became a household name meant she had the confidence to depart from the stately sweep of By the Way I Forgive You when it came time to deliver its successor, In These Silent Days. Working with the same crew as she did on By the Way I Forgive You -- her longtime collaborators Phil and Tim Hanseroth are here, along with co-producers Dave Cobb and Shooter Jennings -- Carlile crafts an album thats bolder and brawnier than its predecessor. In These Silent Days has plenty of intimate moments -- it starts quietly, unfolding with just Carliles voice and piano, the same elements that close the album -- but theyre punctuated by brisk melodies, steady-rolling rhythms and dramatic crescendos that capture the full roar of Carlile and the Hanseroths. That power is evident during the spells where they restrain themselves, adding texture and color to Carliles hushed passion. What separates In These Silent Days from the rest of Carliles albums is its controlled urgency and tight sense of craft, an aesthetic evident in how the album is as lean and robust as a well-loved record from the 70s. Often, In These Silent Days conjures a specific spirit, as if Elton John cut a collection of Laurel Canyon folk-rock in 1973 without abandoning his yearning to rock. Carlile may tip her hat to Elton and Joni Mitchell here (You and Me on the Rock feels like an explicit nod to Big Yellow Taxi) but as the album alternates between candid whispers and raw catharsis, it is unmistakably the work of Brandi Carlile, who once again proves shes one of the best singer/songwriters of her generation. ~ Stephen Thomas Erlewine
Rovi
前作『By The Way, I Forgive You』でグラミー最多候補女性となったアメリカーナの最高峰がさらなる高みへ飛躍。ルシアスのゲスト参加を除けば、デイヴ・コブやシューター・ジェニングスら布陣はほぼ不変。エルトン・ジョン、ジョニ・ミッチェルを彷彿とさせる黄昏バラードや、タイトなフォーク/カントリー・ロックが並ぶ様子は、まるで70年代の名盤のような趣だ。"Broken Horses"の骨っ節のあるブルージーな姉御ロッカーぶりにも惚れ惚れ。
bounce (C)村上ひさし
タワーレコード(vol.455(2021年10月25日発行号)掲載)