フランスのレーベル"MLP"から、レバノンを代表し今なお高い求心力を誇る女性歌手ファイルーズ(フェイルーズ)の新しい編集盤が登場しました。
ファイルーズは1935年11月21日にレバノンのキリスト教徒の家庭に生まれました。そして14歳にはラジオ局の専属歌手としてデビューを果たし、以後レバノンだけでなくアラブを代表する歌手として活躍するようになりました。ちなみにファイルーズという名前はアラビア語で"トルコ石"の意味で、名付け親は後に人気を博すようになる女性歌手マジダ・エル・ルーミーの父で作曲家/歌手のハリーム・エル・ルーミーと言われています。
当初ファイルーズは作曲家/アレンジャーのラハバーニ兄弟とタッグを組み、シャンソンやラテン音楽、アメリカン・ポップスの要素を取り入れた斬新なアラブ歌謡を作りだして大きな人気を獲得しました。ちなみにラハバーニ兄弟の兄アーシーとは結婚もしていて、56年には息子のジアードも授かりました。しかし79年に離婚した後はラハバーニ兄弟とは音楽面でも縁遠くなるようになり、代わりに音楽的主導権をとるようになったのが、彼女の息子ジアードで、以後彼がファイルーズを導く形で『愛しきベイルート』といった名作を数々生み出してきました。
本作はそんなファイルーズがまだ10代だった50年代初頭から約10年間に残した初期録音から30曲をコンパイルしたもので、特にParlophoneから発売された最初の10インチLP3作品(=リリースは1957年)に収録されていた50年代初期の録音が多数収録されています。その中には当時世界を席巻したボレーロやマンボといったキューバ音楽のスタイルを取り入れた斬新なアラブ歌謡を楽しませるなど、その革新性に驚かれる方のいらっしゃるかもしれません。もちろん全曲でラハバーニ兄弟がサウンド・プロデュースを行っていて、すでに豊富なアイディアが詰まったアレンジを作り出していたことが分かる内容です。
現在ファイルーズの初期音源はかなり入手しづらい状況だけに、是非とも本作をお勧めいたします。
日本語による説明をつけた帯を添付
※日本語解説は同封しておりません
発売・販売元 提供資料(2021/08/06)