アルヴォ・ペルト: タブラ・ラサ

ルノー・カピュソン、ローザンヌ室内管弦楽団芸術監督就任第1弾

2021年秋、ルノー・カピュソンはローザンヌ室内管弦楽団芸術監督に就任。今回、その指揮者としての最初の本格的な録音(ヴァイオリンも演奏)は、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトに捧げられています。「アルヴォ・ペルトの音楽における空間と時間の概念は超越したものです。楽譜上では比較的シンプルに見えますが、それは大きく変化をしていきます。彼の音楽はただリラクゼーション的に感じますが、深みとドラマ性があります。それは長い線として私たちを暗闇から光へと導きます。広大な地平線を見ながら、私たち一人一人が自分の小さな世界を構築することができます。」とルノー・カピュソンは言います。
1935年生まれのアルヴォ・ペルトの作品は現在では広く知られるようになり、ベルの神秘的な共鳴を呼び起こし、ティンティンナブリと呼ぶ方法を使用して構成されています。これらは体系的かつ複雑に作られています。東方正教会の信仰からインスピレーションを得ることが多いペルトは、それらは純粋さと無邪気さの感覚で行われなければならないと信じています。それらは、三重のハーモニーに満ちた段階的なメロディを通じて穏やかに進化し、瞑想的で精神的な体験へとリスナーを引き込んでいきます。このアルバムの中で中心的な作品である「タブラ・ラサ」は、もともとはギドン・クレーメルのために作曲されたもので、彼はそれを「沈黙の宣言」と表現し、「私たちの意識から蓄積された破片を洗い流す小さな波のように、浄化効果を発揮します」と書いています。
2020年後半の衝撃的な年が終わりに近づき、ルノー・カピュソンはスイスでのレコーディングセッションのためにローザンヌ室内管弦楽団とピアニストのギヨーム・ベロンが参加しています。「重要なことに、ローザンヌ室内管弦楽団のメンバーは音楽の質感を調整することができます。彼らは非常に反応がよく、彼らが生み出すサウンドの品質は、あなたが夢見るようなものです。純粋に指揮者として彼らと一緒に仕事をするとき、ヴァイオリンなしで音を作っているのは信じられないことです。私は自分の人生の新しい章に入りつつあり、ローザンヌの選手たちと一緒にその章を始められることを嬉しく思います」と語っているとおり、透明感を失わないカピュソンのヴァイオリンとオーケストラとの一体化された純粋で明晰な響きは、ドラマ性を重んじながら、時間を超越した美しさと奥深い精神的なメッセージとして語りかけてきます。
ワーナーミュージック・ジャパン

Violinist Renaud Capucon is known best for mainstream French Romantic repertory and not so much for the minimalist Arvo Part or other contemporary music. Since assuming the conductorship of the Orchestre de Chambre de Lausanne, however, he has stated a desire to pursue new directions, and this collection of Parts works certainly fills the bill. The pieces range in time from the 1970s to the 2000s decade and could meet the need of someone in search of an overview of Parts work in the minimalist style. Some of the works feature a solo violin, and in these, Capucon both plays and conducts. The writing here is not conventionally virtuosic, but it has its challenges for the player, often residing in the instruments top register for uncomfortable lengths of time. Capucon cultivates a sparkling hard edge in these passages, and in the duo concerto-like Tabula Rasa, one of the first fruits of Parts new tintinnabuli style in the 1970s, the duo passages with second soloist Francois Sochard appealingly ring with secondary tones. All the pieces feature the Lausanne orchestra except for the limpid Spiegel im Spiegel, heard here in its original violin-and-piano version. That performance, with pianist Guillaume Bellom, has seen a certain amount of viral spread in online media, testimony to the appeal of this fine album for anyone from newcomers to Part to those with substantial collections of his music.