アメリカ・アトランタ出身のシンガーソングライターによる2年ぶりとなる2作目のスタジオ・アルバム。ローファイなベッドルームポップ現象のオリジネーターの一人として注目されている。シングルリード曲BlouseにはLordeがバックヴォーカルとして参加。逆にLordeの楽曲Solar PowerにはClairoがゲストヴォーカルとして参加している。
■限定のGREEN VINYL
発売・販売元 提供資料(2021/07/01)
前作のロスタム・バトマングリ(元ヴァンパイア・ウィークエンド)からバトンタッチ、テイラー・スウィフトやラナ・デル・レイからセイント・ヴィンセントまでを手掛けるジャック・アントノフが共作・共同プロデュースにあたったセカンド・アルバム。とはいえローファイ・ベッドルーム・ポップらしい素朴で牧歌的な味わいは変わらず。オルタナ色は後退したものの、今回際立っているのがフォーク色で、キャロル・キングやジョニ・ミッチェルなど70年代のフォーク全盛期を思わせるセピア色サウンドが、Z世代の23歳によって奏でられる。レトロな多重録音ヴォーカル、ピアノやサックス、フルート、弦楽器演奏など、どこをとっても懐かしくて新鮮そのもの。シングル"Blouse"にはロードがバック・ヴォーカルで参加している。
bounce (C)村上ひさし
タワーレコード(vol.453(2021年8月25日発行号)掲載)
宅撮り音源をオンラインにアップし、ベッドルーム・ポップの先駆けのSSWとして名を馳せたClairoが待望の2ndアルバム『Sling』をリリース。今作はTaylor SwiftなどをプロデュースするJ ack Antonoffとタッグを組み、内省的な前作よりもピアノ、ストリングス等全ての音色がフォーキーでノスタルジックな印象を持った。その背景には彼女が世間に知られるようになった過程で感じた、不安や孤独の感情を受け入れた変化があるからだろう。若さ故の脆さにも打ちひしがれることなく、今作を作り上げた彼女は紛れもない〈表現者〉となったことを証明している。彼女のキャリアにおいて重要な役割を持つアルバムだ。
intoxicate (C)石田真生
タワーレコード(vol.153(2021年8月20日発行号)掲載)