注目の女性サックス奏者が父親の死、パンデミックを乗り越えた先に行きついた"現代ジャズの光明"。マーキス・ヒルも参加!
2012年「ジャズタイムズ」誌ベスト・ニュー・アーティスト部門、2018年「ダウンビート」誌ライジング・スター賞アルト・サックス部門の首位に選出。ますます注目の高まるサックス奏者キャロライン・デイヴィスが約3年ぶりにSunnysideへ復帰。気心の知れたミュージシャンと共に、一大コンセプト・アルバムを完成させました。
イギリス人の父、スウェーデン人の母のもと、シンガポールで誕生。幼くして両親が離婚し、母と共に米国ジョージア州アトランタに移住し、そこでR&Bやゴスペルに出会っています。その後テキサス州ダラス、イリノイ州シカゴに移り、音楽教師としての経験を経て、2013年からニューヨークのブルックリンを拠点に活動。大きく影響を受けたミュージシャンに、ヴォン・フリーマン、フィル・コーラン、スティーヴ・コールマンらの名前をあげています。
本作『Portals, Volume 1 - Mourning』は、2019年の初めに他界した父親への一種のトリビュート・アルバムです。悲報に接して茫然自失となったキャロラインは、ベッセル・ヴァン・デア・コーク、メアリー・オリヴァー、レスマー・メナケム、マーガレット・ストローブなどの著作を読み、悲しみやトラウマに関する考察を深めました。そして、今度は新型コロナウィルスが発生。この作品は、いわば彼女が苦しみを受け入れ、喪に服した日々の集大成といえるものです。
演奏には、ジャズ界とヒップホップ界をまたにかけて活動するトランペットの俊英マーキス・ヒルやベッカ・スティーヴンスとの共演でも知られるベース奏者クリス・トーディーニらを含むレギュラー・ユニットに加え、2ヴァイオリン+1ヴィオラ+1チェロからなるストリングス・カルテットも大きくフィーチャー(とくにM-5は必聴)。レコーディング前に全員が新型コロナウィルスの検査を済ませ、セッションはこのうえなく快調に進んだとのことです。キャロラインの骨太なサックス・プレイ、滑らかなヴォイス(声)、多彩な曲作りが、内容の奥深さに大きく貢献しています。
ショックを乗り越え、希望を胸に、再び創造の花を開かせるキャロライン・デイヴィス。素晴らしい音楽仲間と共に、彼女は確実に新たな一歩を踏み出しました。
発売・販売元 提供資料(2021/08/10)