ノルウェーの伝説の名ソプラノ キルステン・フラグスタートの波乱万丈の人生を題材としたオペラ
《フラグスタート - オペラ》は、ノルウェーでもっとも国際的に知られ、「ノルウェーを愛する」音楽家のひとりとして国立歌劇場の創設に献身したソプラノ歌手、キルステン・フラグスタート(ヒシュテン・フラグスタ)Kirsten Flagstad(1895-1962)を題材にした一幕の作品です。彼女の生誕125年にあたる2020年の上演をめざし、オスロ・オペラ・フェスティヴァルのディレクター、ヨーリル・ソングヴォル Gjoril Songvollが企画。劇『Flagstad - Triumph and Tragedy(フラグスタ - 勝利と悲劇)』を書いた劇作家で演出家のアイナル・ビョルゲ Einar Bjorge に台本の執筆、《クジラの歌》(Grappa GRCD 4328)や《帰属の歌》(GRCD 4517)などの作品で知られるジャズピアニストで作曲家のシェティル・ビョルンスタ Ketil Bjornstad(1952-)に作曲が依頼されました。
「1962年の秋の終わり、オスロの病院の一室。末期ガンのため緩和ケアを受けているフラグスタートは、献身的に尽くす若い看護婦と一緒に、友人のプロデューサーで俳優のバーナード・マイルズの訪問を待っている。モルヒネのもたらるフラッシュバックの中で彼女は、ふたりめの夫のヘンリー・ヨハンセンと、ノルウェーがナチス・ドイツに占領された第二次世界大戦中、彼がファシズム政党の党員だったこと、そして戦後、そのせいで受けた不当な仕打ちを思い出す。娘エルセとの不幸な関係。メトの舞台で歌ったころの輝かしい日々。苦しい時に彼女を家族と一緒に支えてくれたバーナードが到着する。幸せの記憶。彼が辞した後、フラグスタートは最後の旅への心構えができていた」。
「クラシカル音楽のフォーマット」のオペラを初めて手がけるというビョルンスタは、喜びにあふれていたり、センチメンタルだったり、さまざまな表情のメロディとリズムを使いながら、一貫性のある室内オペラを作り上げました。途中、フラグスタートのかつての姿を懐かしがるように彼女が初演したシュトラウスの《4つの最後の歌》やワーグナーの楽劇の旋律も引用されます。
(1/2)
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2021/11/16)
フラグスタート役のビルギッテ・クリステンセン Birgitte Christensen、看護婦のエルドリ・ゴーシェットEldrid Gorset、ヘンリーとバーナードの二役を歌うベルント・オーラ・ヴォルングホーレン Bernt Ola Volungholenは、ノルウェー国立音楽大学やコペンハーゲンのオペラ・アカデミーで学び、ノルウェー・オペラやヨーロッパのオペラハウスに出演する歌手たちです。器楽アンサンブルのメンバーは、ノルウェーの現代音楽シーンを代表する打楽器奏者のひとり、ハンス=クリスチャン・ショス・ソーレンセン Hans-Kristian Kjos Sorensen、ビョルンスタの友人、ヴィオラ奏者のラーシュ・アンデシュ・トムテルを父にもつエリサベト・ルン・トムテル Elisabeth Lund Tomter、ファゴットとフルートのプレーヤーのハンネ・レクダール Hanne Rekdalとベーシストのヨン・オスネス Jon Asnes。編曲とピアノ、指揮を担当するステファン・イプセン・スラタノス Stefan Ibsen Zlatanoaは、ノルウェー国立大学でリヴ・グラーセルとアイナル・ヘンニング・スメビューに学び、クラシカル、ジャズ、ポップ、現代音楽、ギリシャとノルウェーの民俗音楽と、多様なレパートリーをもつ音楽家です。
2020年11月5日、ノルウェー・オペラの第2舞台(小劇場)で観客数を制限してドレスリハーサルが行われたものの翌日に予定された世界初演は、バレエ団のひとりがCOVID-19に感染したことから劇場が閉鎖され、開演の5時間前になってキャンセルが発表されました。このアルバムは、そのドレスリハーサルのライヴを使って制作されました。Simaxレーベルを主宰するGrappaのヘルゲ・ヴェストビュー Helge Westbyeの賛同を受け、限られた数の「幸運な」観客の喝采を受けた関係者全員が望んだとおり、DVDとCDを合わせたアルバムとしてリリースされます。
[注記]
DVDには「メニュー」がなく、英語歌詞の字幕が自動的に表示され、オペラが始まります。「リージョン・フリー」(All region)ですが、PAL規格で制作されているので、PAL対応の機器、PAL/NTSC変換機能のある機器、あるいはPCで再生してください。
(2/2)
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2021/11/16)