カルロス・アギーレやキケ・シネシとも共演するアルゼンチンのパーカッション奏者、マルティン・ブルンの最新アルバム。アンデスの伝統的な山岳フォルクローレへのオマージュと、ニューオーリンズやエチオピア、アフロビートとも共振しそうな、祝祭ムードあふれる賑やかなバンド・アンサンブル&オーガニック・グルーヴをミックス、モダン・ヴィンテージな南米音楽の新潮流を提示。
中南米を代表する多くの著名アーティストとの共演・共作を持つアルゼンチンの実力派パーカッション奏者マルティン・ブルンの通算第三作。実験的なエレクトロニカ路線によってアルゼンチン・シーンの中で独自のポジションを築き上げてきたマルティンでしたが、今回はルーツ寄りのオーガニックなバンド・アンサンブルに大胆シフトし新たな地平を開拓しております。
アルバム・タイトルの「ピカフロール」とは、フォルクローレでもしばしば歌われる、ナスカの地上絵でもおなじみの、南米で最もポピュラーな小鳥である「ハチドリ」のこと。
ピカフロール・デ・ロス・アンデス、フロール・プカリーナやアセス・デ・ワンカヨをはじめとした山岳フォルクローレの偉大な先人たちへのオマージュをベースとしながら、アンティバラスやダップトーン以降の生音フロア・モード、エチオピアやニューオーリンズとも共振しそうな祝祭ムード、アルゼンチン音楽ならではのクロスオーバー、などなど、さまざまな要素が見え隠れした、南米やフォルクローレの垣根を越えた聞き応えのある力作です。
バリオ・リンドとエル・ブオのレーベル「Shika Shika」からのリリース。
発売・販売元 提供資料(2021/09/22)
カルロス・アギーレやキケ・シネシとも共演するアルゼンチンのパーカッション奏者、マルティン・ブルンの最新アルバム。 (C)RS
JMD(2021/06/08)
晴天の青空のもと多くの人々が行き交い、歌って踊って談笑するような祭りの情景が目に浮かぶ。アルゼンチンのパーカッション奏者による久々の新作はこれまでの前衛的な路線から一転、クンビアやフォルクローレなど彼の原点とも言える中南米の音楽と文化への愛とリスペクトから生まれたオーガニックな傑作だ。近年のシカ・シカ作品の中ではフロア寄りではないが、この音こそレーベルが愛してきたものなのは間違いない。
bounce (C)長谷川義和
タワーレコード(vol.452(2021年7月25日発行号)掲載)