ミックスナッツのCD 齧ればポップ・サイケデリック・ロック・ジャスト35分の充実が4枚目、レインボーアルバムはあなたのハウスに架ける橋。
2010年から2019年まで欠かすことなくマンスリーでライブイベントを開催してきたミックスナッツハウスにとっての2020年はレコーディング・オリンピックへとシフトチェンジした一年。
離ればなれのグループLINE・タイムラインで泡を飛ばす空中セッションを繰り返しくりかえし、三人がそれぞれ自分のパートはひとり録音する作業、結果は毎月新録を発表するデジタル配信ネットワーク形成。そしてその2020年初夏から冬至までの楽曲をドキュメント的に集約しつつアルバム作品としてのストーリー性(オープニング曲「TERRACE18」だけがスタジオ録音をベーシックとしている)を持たせる(ライブ演奏もされたことのない)新曲が混ざり込み『MIX NUTS HOUSE』は完成。
バンド名をタイトルとしたのはシフトチェンジの中でさらに高まったトリオ信頼関係の現れである。が、ゲストミュージシャンの存在なくしてはこの色は出せなかった。接頭の数は曲目、1.元山ツトム(ペダルスティールギター:ゑでぃまぁこん/ 黒岩あすかetc.)、6.青野慧志郎(エレキギター:yoji& his ghost band / 折坂悠太(合奏)etc.)、4.9.谷口雄(鍵盤:1983 / 赤い靴/ あだち麗三郎/ 井手健介etc.)、この三人にプラス、7.杉野清隆(アレンジ・アドヴァイス)、協力的なミュージシャンの参加がどれほど心強いものであったかは作品を聴くことで理解してほしい。ジャケットは先行配信シングル第一弾の「ステージ・フライト」に登場する"太っとい(ぶっとい)レインボウ"からのイメージであり、それを手触りのあるリソグラフ印刷で出力したフィジカルならではの楽しみ。
盤面の写真は大阪は堺でのフォトセッションから、写真家・倉科直弘による。
発売・販売元 提供資料(2021/02/01)
2020年を通じてリモートで制作を続け、元山ツトムや青野慧志郎、谷口雄らゲスト・ミュージシャンの演奏を重ねて完成させた4作目。世の潮流とは無縁の地平でビリビリと鳴らされる珠玉のサイケなポップンロール群がどこまでも愛おしく清々しい。坂本慎太郎にも通じるメロウネスとユルいファンクネスを纏った"10000000000ships"に悶絶。本作をヘッドフォン越しに爆音で耳に送り込み、ひとりダンスをキメたいところ。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.448(2021年3月25日発行号)掲載)