エディー・パルミエリの伝説的な楽団=ラ・ペルフェクタの主要トロンボーン奏者として名をあげ、現在ではスパニッシュ・ハーレム・オーケストラを実質取り仕切る存在にまで成長。2019年にはグラミー賞も獲得するなど、NYのジャズ/ラテン・シーンきっての実力派として知られるダグ・ビーバーズが待望となる新作をリリース。
リリース元は自身であらたに立ち上げたレーベル CIRCLE 9。レコーディングはロビー・アミーン、ルイシート・キンテーロ、ジョルジ・デルガド、ジェリー・マデラ、さらにはジョナサン・パウエル、ジョー・ロックといったニューヨークが誇るラテン/ジャズ名手が一同に集結し、COVID-19の世界的大流行の間にニューヨークで行われたのだという。タイトルは太陽を意味する『SOL』。失われつつあるつながりを再燃させ、コミュニティを構築し、分裂を橋渡しし、優しさと思いやりを中心とした価値観に戻ることを目指し、人々を元気づけ笑顔にする "太陽" をタイトルに冠したのだという。
音楽的にはビーバースがこれまで培ってきたもの、その粋を集結させた作品といえるだろう。スパニッシュ・ハーレム・オーケストラの歌手でもあるジェレミー・ボッシュが歌う英詞サルサ "Sol" に始まり、ヴァイヴ・ラテンジャズ・インスト "Sunshine" 、チャカ・カーンやロバータ・フラックとの共演でも知られるエイダ・ダイアーを迎えたラスト "Ride" にいたるまで。ソウル/ファンクなどアフロ・アメリカンの音楽がチャートを席巻していた1970年代のサウンドを参照したというだけあり、ラテンジャズの強力なパンチとソウルフルな歌声、さらには中毒性のあるベースリフ、洗練されたホーン・アレンジが混然一体となったサウンドは、まさに圧巻。暗いニュースが目立つパンデミックな世界を励まし勇気づける、ダグ・ビーバース流サルサ/ラテン・ジャズの大傑作といえるだろう。
発売・販売元 提供資料(2021/01/18)