ニコことクリスタ・ペーフゲンは1938年10月16日にドイツで生まれ、10代の頃から180cmという長身を活かして『ヴォーグ』『エル』といったファッション誌のモデルとして活動。また、フェデリコ・フェリーニの『甘い生活』(1960年)ジャック・ポワトルノー監督の『Strip-Tease』(1973年)といった映画に出演した。
1965年、ニコはロンドンの<イミディエイト・レコード>からシングル「I'm not sayin' I'll be true」で音楽デビュー。ギタリストにレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが参加している。またこの頃ニコはボブ・ディランの紹介でアンディ・ウォーホルに出会い、ウォーホルが主宰する「ファクトリー」の実験映画に参加する。ウォーホルは自らがプロデュースしていたヴェルヴェット・アンダーグラウンドにニコを参加させ、1967年3月の『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』では4曲でニコがリード・ヴォーカルをとった。1967年にはファースト・ソロ・アルバム『チェルシー・ガール』をリリース。ボブ・ディラン、ジャクソン・ブラウンなどが曲を提供し、ヴェルヴェッツのメンバーも参加している。ヴェルヴェッツの曲にも近い部分も多少はあるが、よりフォーキーな路線の音楽性である。
そんなニコによる今作『BBC・セッション・1971』は、1967年から始まった英国BBCラジオ1の『ピール・セッションズ』という番組でライヴを行なった際の音源であり、彼女の音楽キャリアのピーク時に行なわれたセッションと言われている。世界中の最先端の音楽をかけたことで知られているこの番組を仕切ったのは、DJ/ラジオ・パーソナリティーのジョン・ピールだ。彼が英国音楽史にその名を刻む功労者なのは疑いようがないが、ニコの才能を早くから見抜いていたところも、目端が利くジョン・ピールならではだろう。
収録曲を聴いて分かるのは、ニコが単なるお人形さんなどではなく、自立/自律した才気あふれるアーティストだったという事実だ。パキスタンの宗教音楽であるカッワーリーや、ポーリン・オリヴェロスのような現代音楽家が使ってきたハーモニウムを、ニコが自在に操り、アンニュイな歌声がそれに被さる4曲である。
発売・販売元 提供資料(2022/06/14)
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