※直輸入盤帯ライナー付
シャバカ・ハッチングス率いるサンズ・オブ・ケメットの一員としても活動するチューバ奏者、テオン・クロスのソロ・デビュー作!
★カリブ海のセントルシア出身の母とジャマイカ出身の父のカリブからの移民の両親の間に生まれて、ロンドンで活動するチューバ奏者、テオン・クロス。現代のUKジャズ・シーンでキング・シャバカと呼ばれる存在であるサックス奏者シャバカ・ハッチングスが結成したサックス&チューバ&ドラム編成のサンズ・オブ・ケメットの一員でもある彼の、ソロ・デビュー・アルバム『ファイア』。今作は、アフロビートを軸とし、ヒップホップからクラブ・サウンドまでを展開するロンドン・ジャズ・シーンの隆盛を記録した重要な1枚となっている。
★ロンドンが生んだ世界屈指のジャズ・チューバ奏者テオンのすごさは、仲間たちと作り上げてきた独自の感性と技術だ。アメリカのジャズ・ミュージシャンがヒップホップからの影響を避けられないように、イギリスのミュージシャンはイギリスのラップ音楽であるグライムや、イギリスのエレクトロニック音楽でもあるダブステップ、さらには移民たちが持ち込んだアフロバッシュメントやソカ、ダンスホール・レゲエなどの影響を色濃く受けている。そのイギリスならではのトレンドをチューバの生演奏の中に落とし込めるのがテオン・クロスの特徴だ。オクターバーなどのエフェクターをチューバに繋げたりしながら、グライム的なベースラインをその打ち込みで作られたイギリスならではのサウンドのフィーリングをチューバという不自由な楽器で完璧に再現してみせる。その上でその低音域の太い音色を効果的に活かしながら鋭くリズミックにソロ・パートでも難なく魅せる。
★2018年以降、テオンが起用されたサンズ・オブ・ケメット『ユア・クイーン・イズ・ア・レプタイル』、 シード・アンサンブル『ドリフトグラス』、モーゼス・ボイド『ダーク・マター』といった現行のイギリスのジャズの傑作だけでなく、シーンの中心にいるヌバイア・ガルシアやジョー・アーモン・ジョーンズ、ネリヤ、エズラ・コレクティヴらが自身の最高到達点を更新した。今作『ファイア』は、そんなイギリスのジャズ・シーンの隆盛を記録した重要な一枚としても記憶されることになるはずだ。
■Theon Cross: tuba
Moses Boyd: drums
Nubya Garcia: tenor saxophone (Tracks 1-4, 6 & 8)
Wayne Francis (Ahnanse): tenor saxophone (Tracks 5 & 7)
Artie Zaitz: electric guitar (Tracks 5 & 7)
Tim Doyle: percussion (Track 5)
Nathaniel Cross: trombone (Track 7)
発売・販売元 提供資料(2022/12/23)
EXCLUSIVE!UKの良質レーベル Gearbox Records 流通開始!シャバカ・ハッチングス率いるサンズ・オブ・ケメットの一員としても活動するチューバ奏者、テオン・クロスのソロ・デビュー作! (C)RS
JMD(2021/01/09)
シャバカ・ハッチングスらとのサンズ・オブ・ケメットで名門インパルスデビューも果たしたチューバ奏者、テオン・クロスの自主でのEPを除くと初ソロ作。南ロンドンシーンの有機的なパーソネル構成の例に漏れず、シーンの中核モーゼス・ボイドとヌビア・ガルシアも参加し、サンズ~とも地続きのアフロビートを軸としたグルーヴィな演奏。同胞との共演に肩肘張る感じもなく、無駄なギミックも用いず、驚く程簡素な音響処理だが、それが余計にチューバが低音とメロディを同時に司る驚異の楽器だという事実を突き付ける。鋭い鈍器という矛盾した凶器で打たれ続けているようで足元がグラつく程の衝撃。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.139(2019年4月10日発行号)掲載)