※直輸入盤帯ライナー付
英国新世代ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者ビンカー・ゴールディング初のリーダー作品!
★2015年のデビュー作『デム・ワンズ』がMOBOアワーズ、ジャズFMアワーズ で【英国年間ベスト・ジャズ・アクト】など数々の受賞で頭角を現し、英国ジャズ・シーン新世代の旗手としての立場をすっかり確立させたビンカー・アンド・モーゼス。そのサックス奏者ビンカー・ゴールディングによる初のリーダー作品『アブストラクション・オブ・リアリティ・パスト・アンド・インクレディブル・フェザーズ』がリリースとなる。
★レコーディングは2018年の6月23日、ロンドンの由緒あるアビー・ロード・スタジオで行なわれ、プロデュースはビンカー自身が務めている。彼は全ての楽曲の作曲も行なうほか、アルバム・ジャケットなどアート・ディレクション全般も行ない、なかなか多才なところも見せている。なおミキシング・エンジニアはブラッド・メルドー、マイケル・ブレッカー、ジョー・ロヴァーノなどとの仕事で知られるジェイムズ・ファーバーが務め、ジョー・アーモン・ジョーンズ(ピアノ)、ダニエル・カシミール(ダブル・ベース)、サム・ジョーンズ(ドラムス)によるカルテット編成となっている。
オープニング曲の「I Forgot Santa Monica」は、ラテン風味がアクセントとなったネオ・バップ的な演奏。MOJO誌から「新たなソニー・ロリンズ? 新たなコルトレーン? またはその両方?」と評されたビンカーだが、その面目躍如たる演奏だ。明快で軽やかな中にも力強さを感じさせるテナー・サックスを披露している。「Exquisite She-Green」はサックス、ピアノ共にリリカルな演奏を展開するが、やや変則的なアクセントを持つリズムによって、単に美しいだけのジャズ演奏ではないヴィヴィッドな印象を与える。「Skinned Alive, Tasting Blood」はモード期のコルトレーンを連想させる演奏で、「…And I Like Your Feathers」では朗々とリラックスしたジョージ・コールマン調の演奏を披露する。しっとりとしたバラード調で始まる「You, That Place, That Time」は、曲が進むにつれて次第にテンポが速まり、ソウルフルな演奏を展開する。途中のジョー・アーモン・ジョーンズのピアノ・ソロも素晴らしく、メンバー全員のエモーションが結集したアルバムのハイライト的な演奏だ。「Strange-Beautiful Remembered」はメロディアスな中にも、メンバーそれぞれのアイデアや即興性が活かされた鋭気に満ちた演奏。サム・ジョーンズのドラムスがかなりトリッキーなプレイを披露している。最後はラテン~カリビアン・タッチのネオ・バップ演奏による「Fluorescent Black」で締めくくられる。
■Binker Golding - テナーサックス
Joe Armon-Jones - ピアノ
Daniel Casimir - コントラバス
Sam Jones - ドラムス
発売・販売元 提供資料(2022/12/23)
EXCLUSIVE!UKの良質レーベル Gearbox Records 流通開始!英国新世代ジャズ・シーンを牽引するサックス奏者ビンカー・ゴールディング初のリーダー作品! (C)RS
JMD(2021/01/09)
ザラ・マクファーレン作品や、モーゼス・ボイドとのユニット、ビンカー&モーゼスでの活動もあり、南ロンドンのシーンをチェックしていれば既に注目しているであろうサックス奏者のリーダー作もギアボックスより御目見得。シーンを共に彩るジョー=アーモン・ジョーンズやダニエル・カシミールと奏でるのはビンカー&モーゼスでのコルトレーンへの憧憬的スピリチュアリティや実験性とは打って変わって、洗練されたコンテンポラリー、それは彼の10~20代を過ごした日々を思い返すこと。激動とも言えるシーンの中で未来を見据えつつもアイデンティティを確認するような真摯な眼差しが伝わる演奏だ。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.142(2019年10月10日発行号)掲載)