R+R=Now Live

ロバート・グラスパーが中心となり結成されたドリーム・バンド、R+R=NOWのバンド初となるライヴ盤。

R+R=NOWはジャズの革命児、ロバート・グラスパーが2017年のSXSWのために声をかけて結成したバンド。ケンドリック・ラマーのグラミー受賞作『To Pimp A Butterfly』などを手掛けジャズとヒップホップを繋ぐ現代最重要プロデューサー/サックス・プレイヤーのテラス・マーティン、ロバート・グラスパー・エクスペリメントやブルーノート・オールスターズのメンバーでもあり、2020年のリーダー作『Color of Noize』が好評を博したデリック・ホッジ、エスペランサのバンドで活躍しロバート・グラスパー・エクスペリメントにも起用されたジャスティン・タイソン、カリスマ・トランペッターのクリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアー、そして「Don't Worry, Be Happy」で有名なボビー・マクファーリンを父に持ち、DJ、ビートボクサーからプロデューサー、シンガーと多彩な顔を持つテイラー・マクファーリンという、豪華6人からなる。
本作は老舗ジャズ・クラブ、ブルーノート・ニューヨークで2018年に行われたグラスパーの約一ヶ月に渡るレジデンス公演で行われたライヴを収録したもの。全7曲のうち5曲が2018年のスタジオ・アルバム『コラージカリー・スピーキング』の収録曲となるが、スリリングで臨場感あふれるダイナミックな演奏はスタジオ盤とは全く異なり、ジャズ・アーティストの真骨頂である"ライヴ"感を堪能できる作品となっている。
アルバムの最大の山場はラストに収録された「レスティング・ウォリアー」。25分を超える白熱のパフォーマンスが収められ、エフェクトが加えられた独創的なサウンドに、アーティストがステージ上で奏でるストレートなサウンドが重なり、これまでにないユニークで力強い期待作。

Recorded during their month-long residency at New Yorks Blue Note in 2018, Live finds the all-star collective R+R=Now further expanding their vibrant fusion of post-bop jazz, hip-hop, and R&B. Led by keyboardist Robert Glasper, R+R=Now also features trumpeter Christian Scott aTunde Adjuah, saxophonist/synth-player/vocoder vocalist Terrace Martin, keyboardist Taylor McFerrin, bassist Derrick Hodge, and drummer Justin Tyson. Live was captured the same year the group released their debut album, Collagically Speaking, and features some of the same songs. Here we get atmospherically funky tracks like Respond, Been on My Mind, and Needed You Still. We also get their Middle Eastern-tinged rendition of Kendrick Lamars How Much a Dollar Cost. Theres also a moody psychedelic track not included on Collagically Speaking, Perspectives/Postpartum, which combines compositions by Adjuah and McFerrin into a long, synthy, 80s-style fever dream. Many of R+R=Nows songs have a circular, groove-oriented vibe that brings to mind icons of 70s fusion like Herbie Hancock and George Duke. Its a sound well-suited to extended soloing and the kind of live group jamming Glasper and his bandmates are going for here. Some of these tracks, including the aforementioned Perspectives/Postpartum and the fiery 25-minute Resting Warrior benefit from this in-the-moment energy and evoke a wild combination of Weather Report and Stevie Wonder. Others, like the languid Been on My Mind with its yearning vocoder melodies from Martin, feel like an alien quiet-storm ballad broadcasting from somewhere in space. Boldly contemporary, but informed by a deep love of vintage jazz-funk traditions, Live perfectly captures R+R=Nows cosmic, genre-bending vibes. ~ Matt Collar

ロバート・グラスパーを中心とした現代ジャズ界のドリーム・バンドによる初ライヴ盤は、2018年にNYのブルーノートで1か月間に渡って開催したレジデンス公演から厳選されたテイクを収録したもの。スリリングかつダイナミック、臨場感溢れる録音はまさに〈ライヴ〉の醍醐味。なかでも、10分足らずのオリジナルをセッションを交えながら25分超えで展開したラスト"Resting Warrior"が圧巻の仕上がりだ。
bounce (C)藤堂てるいえ

ロバート・グラスパーを中心としたスーパーグループR+R=NOWは一度限りの企画モノだった? ならばあまりにも勿体ないと思いつつ次の一手には然程期待していなかったが、新たな動きが!2018年にブルーノートNYで行った24夜48公演のグラスパー祭における実況録音盤の登場である。アルバム曲に加え演奏されたテイラー、クリスチャンの楽曲、そしてケンドリック・ラマーのカヴァーはテラスのということか、フロントに異能プロデューサー3名を配した特殊なコンボ像が浮かび、グルーヴの渦化し長尺となったラストでライヴだからこそ味わえる彼らのジャズマンとしての身体能力に打ちのめされる。
intoxicate (C)片切真吾