前作『muse』から七年ぶり、piana5枚目となるフル・アルバムのリリースが決定。<raula>とはアイスランド語で鼻歌という意味。文字通りハミング風の歌から始まるこのアルバムは、静かに、そして希望に満ちた幕開け~空想冒険物語のようにアルバムの後半へと進んでいく。歌詞は全て造語で作られ、どの国の人が聴いても抽象的で美しい空想世界をイメージできるよう構成されている。中世異国の郷愁を持つこの作品は、オルガンやピアノ、バイオリンなど生楽器で構成され、繊細でみずみずしい透明感を余す事無くパッケージしている。また作曲~ミックスまでpiana自身で行った楽曲たちは、その表現力の幅広さを申し分なく発揮し、美しい旋律と幾重にも重なるヴォーカル作品の新境地となる。 (C)RS
JMD(2020/12/17)
前作から7年を経て完成した5枚目のフル・アルバム。デビューよりこのシンガー・ソングライターを特徴付けるスタイルのひとつだったエレクトロニカ的なアプローチは影を潜め、生楽器を軸にしたたおやかなアンサンブルをジャケットにも表れた清廉なタッチで展開している。ピアノによるインストから聖歌のような趣の(ひとり多重録音による)合唱曲、フォーキーな歌モノにアンビエント……とアプローチは楽曲ごとにさまざま。全編を通じてハミングと造語とで歌われており、幻想的でアブストラクトな音世界と共に聴き手のイマジネーションを優しく掻き立ててくれる。センシティヴでありながら、時にポスト・ロック的なエモーションが表出するダイナミズムも魅力的。力強く新たな境地を切り拓いた作品だ。
bounce (C)澤田大輔
タワーレコード(vol.446(2021年1月25日発行号)掲載)