4人体制による『新しい旅のはじまり』。
前作発表後にキイチビールが無期限の活動休止となり、中心人物不在のなか、残されたメンバーで完成させた3作目。コーラス担当だったKDがソングライティングとボーカル、ギターを引き受け、バンド活動を継続する道を選んだ彼らの『新しい旅を後押しする熱い胸騒ぎのパスポート』となった今作。これまでの持ち味だった《ハッピーサッドの先にあるハッピー》が渦巻くリアルな日常を切り取った伝統的和製ロックバンドの香りはもちろん、女性SSWライクなのキュートな曲や、ELOのようなホーリーでエモーショナルな楽曲まで様々。4人での活動していく強い意思を感じる素晴らしい作品。
(C)静岡店:佐藤 圭亮
タワーレコード(2021/01/22)
伝統的和製ロックバンドの香りをまとい、熱のある歌謡性を高める現体制キイチビール&ザ・ホーリーティッツ最新アルバム。高鳴る胸と酩酊の夜の向こうに立ち昇る鮮やかな言葉と旋律。 (C)RS
JMD(2020/11/17)
伝統的和製ロックバンドの香りをまとい、熱のある歌謡性を高める現体制キイチビール&ザ・ホーリーティッツ最新アルバム「すてきなジャーニー」
高鳴る胸と酩酊の夜の向こうに立ち昇る鮮やかな言葉と旋律
伝統的和製ロックバンドの香りを漂わせながら、熱のある歌謡性を日々高めている現体制のキイチビール&ザ・ホーリーティッツ。
ギター/ボーカルを引き受けたKDが紡ぎ出す言葉とメロディーには、愛することのもどかしさと難しさを感じながらも前を向いてしっかりと歩む一人の人間としての女性の姿がある。喜怒哀楽の朝を迎え、夜を越えていく「彼女」は、時にKD自身と重なり、その瞬間に鳴り響くその声と4人の楽器は、音楽の範疇をやすやすと越え、目に見えないエネルギーの塊となって聴く者に迫る。いつか目にした高速道路の朝焼け、登校の朝に鼻をくすぐる湿った空気の匂い、耳元でささやく近くて遠い声。そんな普通だけどとてつもなく特別な記憶に寄り添い続けるのがポップミュージックの使命だとしたら、それを死守する覚悟が今のキイチビール&ザ・ホーリーティッツの4人には、ある。
ソングライターでボーカル/ギターの村上貴一が、2019年7月に精神的理由により無期限の休止を宣言。3rdアルバム『すてきなジャーニー』は、これを受け止めた4人のキイチビール&ザ・ホーリーティッツの1年超えの旅の軌跡であり、ここから始まる新しい旅に向けての熱い胸騒ぎのパスポートだ。
オードソックスなバンドスタイルで奏でる、同時代的なリアルな日々の歌。悲しさも、時に訪れる高揚も、その先に見え隠れする光と影も全てないまぜいになった類い稀なるメロディーとリリック。熱い胸騒ぎをあなたに。
発売・販売元 提供資料(2020/11/13)
中心人物の村上貴一が活動を休止しても、4人の歩みは止まらない。この新作ではコーラス担当だったKDがヴォーカルと作詞/作曲を担って、まろやかで温かい歌声を聴かせ、60 ~70sロックやフォークの妙味を取り込んだ演奏はさらに熱を帯びている。荒井由実を思わせる"夜明けをさがして"などのラヴソングが主体だが、そこに滲む喪失や欠落感がいまの彼女たちの偽りない心情であろうし、だからこそ心に届く。
bounce (C)鬼頭隆生
タワーレコード(vol.446(2021年1月25日発行号)掲載)