日本が世界に誇る、今は亡きrei harakami(レイ・ハラカミ)の名作が蘇る!!名曲「lust」や「owari no kisetsu」を収録した名盤4th・アルバム『lust』が、ハイレゾ音源を収めたMQA-CD、で再発!!「くるり/ばらの花」のリミックスや、UAのプロデュース、矢野顕子とのコラボレート企画等、様々なフィールドで活動を広げ、レイ・ハラカミ作品として最も知られる事となった代表作。3rdアルバム『read curb』から、4年を費やして創られた本作には、レイ・ハラカミにとっての代表曲となった「joy」、細野晴臣の楽曲をカバーした「owari no kisetsu」では、自身初となるヴォーカルに挑戦している。 (C)RS
JMD(2020/10/20)
レイ・ハラカミを電子音楽のなかで語ることに、いつも違和感を感じる。もちろんフォーマットは、今や伝統的とも言える電子音楽の手法で構築されているけれど、それは手にした楽器が〈たまたま〉シンセやサンプラーだった、という理由にすぎない気がするのだ。耳に届くのは確かに電子の響き──しかし、その向こうに立ち現れる、実際には記録されていない豊潤な旋律を描き出すために、彼は音と向き合っているのではないか、と。そして4年ぶりの新作では、単なる旋律以上に、言葉や風景も纏った歌が、明確に聴こえてくる。例えばセロニアス・モンクが奏でるピアノの響き、音数少なき単純な旋律が導き出すリリカルな歌世界のような。細野晴臣“終わりの季節”のカヴァーで1曲だけ歌声を耳にできるが、アルバムを通して彼の〈歌〉は、聴く者の脳裏で優しく語り続ける。
bounce (C)小田 晶房
タワーレコード(2005年06月号掲載 (P75))