プエルトリコ音楽の魅力はどこにあるのか?これまであまり語られることがなかったこの島の音楽の歴史をひもとく意欲作
カリブ海域の音楽の中で、キューバ音楽と並んでたくさんのファンを持つのがプエルトリコ音楽です。人口360万人ほどの小さな島から世界に発信された魅力的な音楽は枚挙にいとまがありません。さらにニューヨークを中心とするプエルトリコ移民地区からも、サルサやブーガルーなどのコミュニティを基盤とした音楽が飛び出してきました。
ただ、そんなプエルトリコ音楽の歴史は、これまであまり突っ込んで語られることがありませんでした。サルサ時代の音楽家たちの多くはプエルトリコ系でしたが、やっていた音楽がキューバ音楽を規範とすることが多かったせいかもしれません。でも、時代が一回りしたせいか、21世紀に突入するとマーク・アンソニーがラファエール・エルナンデスの古典的名曲「ボリンケン哀歌」をカヴァーするなど、古い時代のプエルトリコ音楽を注目する動きが出はじめました。さらに書籍の分野では、プエルトリコ音楽に真正面から取り組んだ研究書が、まるでせきを切ったように発表されています。
そういった書籍を参考にさせていただきながら、忘れ去られようとしていた古い音源を駆使して、この島の音楽の歴史に真正面から取り組んだのが本アルバムです。
プエルトリコの最初のナショナル・ミュージックと言われる「ダンサ」の貴重SP音源から、キューバ音楽の影響を受けながらもしたたかに独自の音楽性を生み出してきたラファエール・エルナンデスやペドロ・フローレス作曲の極上ボレーロの数々。そして「歌の島プエルトリコ」から登場した名歌手たちの美声を味わえる名曲や、田舎のヒバロ音楽のレア音源など、貴重/重要音源が目白押しです。今回はこの分野の音楽をはじめて聴く皆さんを意識して、この島を代表する名曲を出来るだけ多く収録するように努めました。
キューバ音楽以上に奥ゆかしくも洗練されたプエルトリコ音楽の成熟した魅力を、たっぷりと味わってください。
もちろんディスコロヒア印ですから、詳しい解説と貴重写真を満載したブックレットはいつも通り。マスタリングも極上です。
●選曲/解説:田中勝則
発売・販売元 提供資料(2020/10/16)
これまであまり語られることがなかったこの島の音楽の歴史をひもとく意欲作。 (C)RS
JMD(2020/10/01)