河瀨直美監督作品、映画『朝が来る』の為に小瀬村晶が書き下ろしたオリジナル・ サウンドトラックアルバム。 本作は、直木賞作家・辻村深月による同名小説が原作、永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子らが出演し、第73回カンヌ国際映画祭公式作品【CANNES 2020】に選出されたヒューマンミステリー。世界で高い評価を受け、カンヌ国際映画祭では欠かせない存在となった河瀨直美監督の待望の最新作は、直木賞・本屋大賞受賞のベストセラー作家・辻村深月によるヒューマンミステリーの映画化。およそ一年に及ぶ制作期間を経て、映画とのコラボレーションのなかで生み出された印象的な楽曲の数々を収録した本作は、映画の完成後、サウンドトラックアルバムとしての視点から改めて映画の世界観と向き合うことで再構築され、新たに書き下ろされたタイトル曲を収録することで完成しました。 (C)RS
JMD(2020/09/12)
河瀬直美監督の新作映画『朝が来る』のサウンドトラックではあるものの、それ自体が映像的で音楽作品としての厚みを持った小瀬村晶の新作。というのも本作は映画の完成後に再構築され、表題曲を書き下ろすことで完成したのだとか。室内楽的な小編成のストリングスも美しいが、印象的なのはピアノの打鍵音を含んだ生々しい響き、電子音響による空間性、《Hikari II》におけるピッチベンドの不思議な感触など。アコースティックと電子音響の間を揺蕩う張り詰めた音像は他に得難い。多忙な小瀬村の新作としても、国内外のエレクトロニカ/ポスト・クラシカルの紹介者であるScholeの新たな1頁としても聴きたい。
intoxicate (C)天野龍太郎
タワーレコード(vol.148(2020年10月10日発行号)掲載)