フォーマット |
CD |
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構成数 |
1 |
国内/輸入 |
輸入盤:国内流通仕様 |
パッケージ仕様 |
- |
発売日 |
2020年11月06日 |
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規格品番 |
TRCI-68 |
レーベル |
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SKU |
4571260590496 |
人の歴史を掘り起こしていくこと、それがアルバム『フェイディング』を作るきっかけになっている。「このアルバムはほぼ全て、"記憶の喪失"という概念がもとになって出来上がった」と語るベトケ。「自分の母親が当時認知症にかかっていて、彼女が91年にもわたって積み上げてきた彼女の記憶全てを無くしていく様子を見ていたんだ。まるでその様は、生まれたてで彼女の人生が始まったばかりのような感じに思えた。まさしく、まだ中身が空っぽの箱のような」。
といってもこのアルバムはいわゆるコンセプト・アルバムではない。この"記憶をなくす"という概念は、ベトケにとってアルバムに取り掛かるためのきっかけでしかなく、このベルリン在住のアーティストはこの概念を題材に、さらなるサウンドの深みを追求していくことになるのである。「今回のこのアイデアは、物事の方向性を決めて進む"動力"のようなものだった」と語る彼。「最初のトラックである「Drifting」に関していうと、人生において考えや考える力がほぼ空の状態から徐々に増えていく様を表現し、曲の最後には遠くで鐘の音が鳴る、というようにして、最後のトラックの「Fading」では、その蓄えてきた力が徐々に薄れていき、最後には消えてしまう、というようなことをサウンドで表現した。しかしながら人というのは、全てを失うわけではなく、感情やイメージ、何かしらの雰囲気みたいなものは残していく。生きとし生けるものは全て地球上に何かを残していく」
このようなアプローチのおかげで、ベトケは自身の記憶や過去とも再びつながりを持つことになるのである。「今回の作品のサウンドの中で、ちょっとした破裂音や雑音などがいくつか聞こえると思うんだけど、それらは直接以前の三部作から引用したものなんだ。しかしそれらは、そんなに煩くは聞こえないと思う。それが私としては何かしらかのヒントで、自分の記憶も徐々に薄れて行ってると思うから」
元々多面性を持つベトケの性格上、結果、このアルバムはヘッドフォンで没入して聴くのに最適で、かつスピーカーを通して体が震えるような大音量で聴くこともできる作品となった。(1/2)
このアルバムは最終的に、予測も出来ない偶然の産物が(アートワークとして)加わることによって、完璧なまでに丁寧に作り込まれた芸術作品の体裁となった。まるで、この作品がこの三枚の写真をきっかけにして全てスタートしたのかのように。(2/2)
構成数 | 1枚
合計収録時間 | 00:00:00
帯・解説付
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1.[CD]
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1.Drifting
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2.Tangente
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3.Erinnerung
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4.Traum
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5.Tolpel
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6.Roschen
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7.Nebelkrahe
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8.Fading
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世界の変化の速度と派手さとは対照的なシンプルかつゆったりした深みのあるダブ・テクノ。ステファン・ベトケことポールの新作は、自身の過去3部作からも音を引用して作られたまさに彼の〈いま〉であり、突如としてスロウダウンした現在の時代性とも共鳴するベストなテクノかもしれない。ホームリスニングに適した作りに思えるが、身体が内側から揺さぶられるようなサブベースはフロアにも間違いなくマッチするはずだ。
bounce (C)長谷川義和タワーレコード (vol.444(2020年11月25日発行号)掲載)
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