ティボー・コーヴァン・プレイズ・レオ・ブローウェル (練習曲集)

ブローウェルの新曲・世界初録音3曲収録!ミニアチュールに込められた多彩な音色と技を、これ以上ないほどに引き出したコーヴァン会心のニュー・アルバム。

フランスのギタリスト、ティボー・コーヴァン注目のニュー・アルバムの登場です。これもまた、先日ご案内したイゴール・レヴィットやヨナス・カウフマンのアルバムと同様に、コロナ禍による外出禁止・演奏活動自粛時期に生まれたアルバムなのです。
コーヴァンは、演奏活動から離れ、自宅にこもっていた期間中に、1か月にわたって毎日オンラインでブローウェルの練習曲を演奏する#BrouwerChallengeを展開して大きな話題を巻き起こし、有名な『フィガロ』紙も含むメディアによって広く取り上げられました。コーヴァンの企画のキモは、自らブローウェルの小品を演奏してその魅力を伝えることとともに、1曲につき2人のアーティストにその曲のカバーを発表してもらうということにありました。ブローウェルの作品は短くてメロディアスであるため聴きやすく、カバーしやすいこともあってSNSで拡散され、大きな反響を得ました。しかもこの反響を知った81歳のブローウェルがキューバの自宅でコーヴァンのアルバムのために新しい練習曲を3曲書くという話題付き。このアルバムは、その新作3曲と#BrouwerChallengeで演奏した30曲を、5月下旬にパリのスタジオで改めて録り直したものです。
1939年、キューバ生まれのブローウェルは、現代ギター界で最も重要な作曲家の一人。ギター曲に実験的な手法を取り入れ常に先鋭的な作品を発表することで知られています。特に、伝統様式と最新トレンドを融合させるばかりでなく、民族的文化や政治情勢、社会現象、宗教、芸術とあらゆることを作品に盛り込んだ彼の作品はギタリストにとって大切なレパートリーになっています。ブローウェル自身が卓越したギタリストであり、さらに現代音楽への造詣の深さから、今までには無かった新しい響きを持ったギター曲を数多く生み出しています。この「シンプルな練習曲」は、ギター奏者にとって必要とされるテクニックや音楽が明確でかつ演奏効果の大きい魅力ある曲となっています。「新・シンプルな練習曲」では、それに加え各曲が名作曲家(ドビュッシー、プロコフィエフ、タレガ、ソル。ピアソラ、ストラヴィンスキーなど)のオマージュともなっています。最後に加えられた3曲のエチュードは、社会人類学者のクロード・レヴィ=ストロース、哲学者のジャン=ポール・サルトルとジャック・デリダの思い出として書かれています。
ティボー・コーヴァンの演奏はテクニックだけでなく、自由なスタイルが加わることに緻密な研究と研鑽を重ねたという印象を与えず、音楽のイメージをそのままに表現しており、各楽曲の個性を鮮やかなコントラストで描いていきます。
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ソニー・ミュージック

『コロナの自粛期間中、私は世界のためにプレーし続ける必要がありました。幼少期から10代にかけて私にギターの魅力を教えてくれた作品、つまりブローウェルの練習曲を演奏することにしました。この30曲のミニアチュールは、創意工夫に富み、過去のさまざまな時代の音楽の要素を採り入れた傑作ぞろいで、ギターという楽器の音楽語法を格段に豊かにしてくれた革命的な作品と言えるでしょう。歴史上最も重要なギター作曲家ブローウェルの作品の中でも、もっとも数多く演奏されている作品でもあります。クラシック・ギター奏者でこの作品を知らぬものはいませんし、ジミー・ペイジ、アンディ・サマーズ、スティーヴ・ヴァイなどの他のスタイルのギタリストも影響を受けています。「ピアノのショパン」「ヴァイオリンのヴィヴァルディ」のように、「ギターのブローウェル」があるのです。』--ティボー・コーヴァン)
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