その卓越したセンスを駆使してロック、ソウル、カントリー、ジャズ、クラシックなどの様々な音楽ジャンルを自由自在に操る音楽の魔術師エルヴィス・コステロの最新作。2020年2月に単独ヘルシンキに渡り、レコーディングした「No Flag」、「Hetty O'Hara Confidential」がそれぞれ6月、7月にデジタルのみでシングル・リリースされた中、ついにアルバムも完成。 (C)RS
JMD(2020/09/11)
2018年に10年振りに発表したエルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズ名義でのロック・アルバム『ルック・ナウ』が2020年第62回グラミー賞で最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバムを受賞したエルヴィス・コステロの2年振りの新作『ヘイ・クロックフェイス』が完成!前作に続きセバスチャン・クリストの共同プロデュース作品。本作はヘルシンキ、パリ、ニューヨークにてレコーディングされ、ミックスはLAで全曲セバスチャン・クリスが担当。
先行リリースされているシングル「ノー・フラッグ」「ヘティ・オハラ・コンフィデンシャル」、「ウィ・アー・オール・カワーズ・ナウ」の3曲は2020年2月に単独ヘルシンキに渡りレコーディング・エンジニア=イエトゥ・セッパラの下でソロ・レコーディング。その後すぐさまパリに渡り、レ・ステュディオ・サンジェルマンで週末セッションを行い、2日間で9曲録音。このパリでのセッションでは盟友スティーヴ・二―ヴが中心となり、"Le Quintette Saint Germain"(ル・クインテット・サン・ジェルマン)とコステロが名付けたアンサンブルが参加。ニューヨークのセッションは、コンポーザー/アレンジャー/トランペッターのマイケル・レオンハートがプロデュースを務め、ギタリストのビル・フリゼールとネルス・クラインもコラボレート、コステロが"エレクトリカル・ワイヤーを通じて"リリックとヴォーカルをその音楽に入れて完成させた。
「ラウドで激しいプレイの曲もあり、親密で美しい曲もあるが、いずれにしてもこのアルバムは生き生きとしたヴィヴィッドなものにしたかったんだ」とコステロは語っている。
世界同時発売 / SHM-CD仕様 / 日本盤ボーナス・トラック1曲収録
発売・販売元 提供資料(2020/08/14)
懐の深い傑作『Look Now』 から2年。続けてセバスチャン・クリスと組んだ新作は、先鋭的かつ挑戦的な音作りで臨む曲と円熟の歌声を聴かせる雰囲気満点な曲が混在、振り幅の激しさが特徴といえる。マイケル・レオンハートが仕切ったスリリングなジャジー・チューン"Newspaper Pane"や新版"Almost Blue"といったムーディーなバラード"I Do(Zula's Song)"などよく練られたアレンジと構成でもって最後まで飽きさせない充実作だ。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.443(2020年10月25日発行号)掲載)