【怪談噺 其の壱】 『白蛇様』 神原リカ
鳥取県境港市、妖怪の街の女性怪談師・神原リカが実際に経験した現在進行中の怪異譚。昭和八年に蛇神様の祟りで消滅してしまった集落を調べる郷土研究家は、深く調べると調べる程、その息子が霊障に襲われる……。

【怪談噺 其の弐】 『渋谷怪談』 西浦和也
当倶楽部のキュレーター西浦和也が警備会社時代に勤めていた頃の噺。警備会社の支店を道玄坂に開店するが、夜の宿泊者から怪異の報告が絶えない。営業職の西浦和也も宿泊することになったのだが、次々と襲いかかる怪異とは……。

【怪談噺 其の参】 『ユタのおばあ』 上里洋志
沖縄県宮古島出身の上里洋志は、祖母がユタと言う沖縄の伝統的な霊媒師だ。その血を継いでいて、幼いころから霊視体験があり、高校生時代の実話怪談が二編語られ、ユタの祖母との今生の別れの際に起きた怪異でしめくくる。

【怪談噺 其の肆】 『カラオケボックス』 村上ロック
20年前の八月、札幌で村上ロックが実際に経験した恐怖体験。その年は猛暑で、親友とエアコンが付いているカラオケボックスへ逃げ込んだ村上は、雇われ店長のサトちゃんからこの店に出る幽霊噺を聞かされる……。

【怪談噺 其の伍】 『キタの怪談』 中山市朗
怪談生活三十周年の中山市朗が語る大阪はキタの怪談。ミナミは明治時代まで大きな墓があり、怪談は山ほどあるが、キタはビジネス街が中心で、怪談が伝わるのは珍しい。ラジオ放送で実際に体験した怪異を話し、本題は中山の後輩のM君という男の噺へと続くが……。