ボブ・モールド(ハスカー・ドゥ、シュガー)の1年半振りとなるニュー・アルバムが完成。前作『サンシャイン・ロック』の前向きな陽に対する怒り狂う陰のアルバム『ブルー・ハーツ』をリリース。
『Blue Hearts』はBob Mouldの40年に渡るキャリアの中でも最もストレートに対決的な作品であろう。そこには、これまでに一気に書いたプロテストソング群の中で最もキャッチー、と本人が語る14曲が収録されている。アルバムのプロデュースはMould自身で、かの有名なシカゴのElectrical Audioで長年のコラボレーター、Beau Sorensonとレコーディングはおこなわれた。バッキングにはドラマーのJon WursterとベースのJason Narducyを再フィーチャー。現在の日々の問題を捉えながら、ベテランのシンガーソングライターによる画期的な過去に頷いた内容へと仕上がっている。Rolling Stone誌によると前作『Sunshine Rock』はMouldの"猛烈な幸せ"を表現した作品であったが、『Blue Hearts』は怒りで煮えくり返った辛辣な作品である。まさに、前作の前向きな陽に対する怒り狂う陰のアルバムである。
米ニューヨーク生まれのBob MouldはHusker Du(80年代)やSugar(90年代)での活動でも知られるギタリスト、ヴォーカリスト、ソングライターだ。80年代後半からはソロでの活動も開始。1989年にはデビュー・アルバム『Workbook』を Virginよりリリースする。2012年にリリースされたMerge Records移籍第一弾、通算10枚目のアルバム『Silver Age』が高い評価を獲得。2014年の11枚目のアルバム『Beauty & Ruin』は全米チャートの38位を記録した。その後も同レーベルより『Patch the Sky』(2016年)、『Sunshine Rock』(2019年)とリリースを続けている。
発売・販売元 提供資料(2020/10/02)
幸せを表現した2019年リリースの前作『Sunshine Rock』から一転、この新作が轟音のロック・アルバムになった理由はモールドの怒り。ここまでストレートなパンク・ロックを演奏するモールドは久しぶりだ。彼なりのプロテスト・ソングなのだそうだが、荒れ狂うギターの咆哮を聴き、我々はまず、かつて彼がピクシーズやニルヴァーナに与えた影響の大きさを思い出すべきだろう。フー・ファイターズのファンならぜひ。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.442(2020年9月25日発行号)掲載)