天才音楽家コナー・オバーストをメインとしたインディ・ポップのプロジェクトで、繊細なヴォーカルとアコースティック・ギターによるフォーキーなポップ・ソングを展開するブライト・アイズ。2011年に9枚目のアルバム『The People's Key』をリリースし、ブライト・アイズは非公式な長期の休止期間に入った。それ以来、バンドのコア・メンバーである三人(コナー・オバースト、マイク・モギス、ナサニエル・ウォルコット)は、各々で作品やコラボレーションに取り組んでいた。
2011年11月21日にホノルルで最後のショーをおこなってから約10年、ブライト・アイズは2020年6月22日にThe Late Show With Stephen Colbertで最新シングル「Mariana Trench」をプレイ。バンドは2020年1月に新しいマテリアルを公開し、3月に新曲「Persona Non Grata」を発表。その後、「Forced Convalescence」「One And Done」とリリースを続けてきたが、この4枚目のシングル「Mariana Trench」と共に、9年振りとなるニュー・アルバム『ダウン・イン・ザ・ウィーズ、ホウェア・ザ・ワールド・ワンス・ワズ』をリリースすることもアナウンスされた。
『ダウン・イン・ザ・ウィーズ、ホウェア・ザ・ワールド・ワンス・ワズ』はブライト・アイズ史上最もコラボレーティヴな作品で、オマハとウォルコットの自宅で書かれたデモから全ては始まっている。また本作は過去のブライト・アイズが融合した作品のようでもある。シンフォニーの使用は『Cassadaga』でのウォルコットのオーケストラ・アレンジ、パーカッシヴなエレメントは『Digital Ash in a Digital Urn』を思い起こさせる。オバーストの声とコアにあるフォークのソングライティングは『Lifted or The Story Is in the Soil, Keep Your Ear to the Ground』と『I'm Wide Awake, It's Morning』のそれだ。アコースティック・ギターのサウンドは、オバーストが25年前に4トラックで作成していた作品でのモギスのプロダクションにまで遡る。オマハのARCスタジオ、ロサンジェルスのElectro-Vox、同じくロサンジェルスのCapitolスタジオでのレコーディング・セッションを通し、トリオは実験的で野心的、そして独創的なアルバムを作り上げた。また、リズム・セクションはジョン・テオドール(クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、マーズ・ヴォルタ)とフリー(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)がゲスト参加している。
発売・販売元 提供資料(2020/08/18)
米オマハのトリオ、ブライト・アイズ(コナー・オバースト、マイク・モギス、ナサニエル・ウォルコット)が遂に再始動。9年半振りとなる10枚目のアルバムがリリース。 (C)RS
JMD(2020/07/16)
おかえり! 約10年待ったぞ! リズム隊にマーズ・ヴォルタの活躍で知られるジョン・テオドールとレッチリのフリーを迎えためっちゃ豪華な新作は、アコースティックな曲からオーケストラ・アレンジまで、実験的な姿勢でもって往年のファンの手もがっちり掴んで付いてこいと言わんばかりの楽曲が並んでいる。アルバムを包む空気感はファーザー・ジョン・ミスティ『Pure Comedy』にも通じるようなペシミズムと、相反するように希望が共存しており、ラストを飾る"Comet Song"はその空気にあてられてか無性に泣けてくる。コナー・オバーストのソロ作が充実していたから〈復活はないのでは?〉と思っていたが全然そんなことなかった! 2017年の冬には再始動の話が出ていたとか。早く言えよ!
bounce (C)人與拓馬
タワーレコード(vol.441(2020年8月25日発行号)掲載)