1978年9月にVanity Records よりオリジナルがリリースされたSAB の1st アルバム。当時19歳の彼が自身による各種シンセサイザー、エレクトロニクス、ギターの多重録音、更にゲストミュージシャンによるシタールやフルートを加えて作り上げたコズミックかつ瞑想的な音絵巻。
現在のニューエイジ・リヴァイヴァルや日本の環境音楽の再発見といった動向の中でも揺るぎない完成度と一層輝かしい価値を感じさせる傑作であると同時に、Vanity Recordsというレーベルのベースとなる思想を伺わせる重要な一作。
1978年9月にVanity Records のカタログナンバー2番としてオリジナルがリリースされたSAB の1st アルバム。当時19 歳の彼が自身による各種シンセサイザー、エレクトロニクス、ギターの多重録音、更にゲストミュージシャンによるシタールやフルートを加えて作り上げた一作。ジャケットにはまりの・るうにいによる土星のパステル画が用いられている(土星は当時ロック・マガジンと交流のあった工作舎のシンボルマークでもある)。
複数の楽器を自在に扱う技術的な達者さもさることながら、シンセサイザーとアコースティック楽器、そして環境音までもを巧みにミックスしコズミックかつ瞑想的な音絵巻を作り上げる音楽的なヴィジョンの確かさとアレンジ能力が何より素晴らしい(この手腕は後にあがた森魚『乗物図鑑』のアレンジでも発揮される)。
同時代の先鋭的な音楽動向をいくつかの側面から捉えてみせたVanity Records であるが、その発足当初にはブライアン・イーノが明確なコンセプトをもってリリースしたObscure Records の10 枚組シリーズ(1975-1978)が強く意識されており、実現はしなかったもののそれに対抗した「十牛図」をコンセプトとしたリリースも構想されていた。
Vanity Records の最初のリリースであるDADA『浄』と本作SAB『CRYSTALLIZATION』では海外の音楽動向にリンクする要素と同時に東洋的なモチーフ/サウンドが(それぞれ異なる方法で)用いられており、参照とされる西洋の動向に対しての差別化の意図が感じられる。現在のニューエイジ・リヴァイヴァルや日本の環境音楽の再発見といった動向の中でも揺るぎない完成度と一層輝かしい価値を感じさせる傑作であると同時に、Vanity Records というレーベルのベースとなる思想を伺わせる重要な一作だ。
発売・販売元 提供資料(2020/05/29)