チルウェイヴのパイオニアであるウォッシュト・アウトはアトランタをベースに活動するプロデューサー/ソングライター/マルチインストゥルメンタリスト、アーネスト・グリーンのプロジェクト。
〈SUB POP〉復帰作となる当『パープル・ヌーン』は自身4枚目のアルバムで、再び全てを自らが書き、レコーディングし、プロデュースした作品となる。ミックスはベン・アレン(ナールズ・バークレー、アニマル・コレクティヴ、ウォーク・ザ・ムーン他)が担当。アルバムの制作は、グリーンがR&Bやモダンポップなどのジャンルを探求できるように、Sudan Archives等、他のアーティストへの執筆作業に続いて行われた。
こうして他者へ提供された楽曲はより明るく濃厚で、その要素は『パープル・ヌーン』へも取り入れられ、プロデューサー/ソングライターとしてのグリーンの新しいチャプターを構築。ヴォーカルはセンターに据えられ、テンポはスローになり、ビートは大胆でダイナミクスによる包括的な深さを感じさせる作品が完成した。
地中海の海岸線は『パープル・ヌーン』にインスピレーションを与えた。
グリーンはこの地域の独特な島の文化に敬意を表し、作品の背景としてそれを使う。アルバムのタイトルはRene Clement監督の1960年の映画に由来し、Patricia Highsmithの小説『The Talented Mister Ripley』に基づいている。
それはまるでロマンチックなハリウッドの叙事詩のようで、ウォッシュト・アウトのエスケイピズム(現実逃避)にエモーショナルな層を追加。音楽を新たな高みへと導くのである。
発売・販売元 提供資料(2020/08/05)
夏! チル! ウォッシュト・アウト!という人たちの期待に寄り添うようにサブ・ポップ復帰作となる通算4枚目のアルバムがリリース! ルネ・クレマンの映画からタイトルを引用し、地中海の海岸線にインスピレーションを受けたという今作はふたたびセルフプロデュースで制作。結果、繊細で大胆という矛盾を孕んだ深みのある作品が完成し、夕暮れの海を眺めているという情景が音楽になったら、を体現しきったように思う。
bounce (C)人與拓馬
タワーレコード(vol.441(2020年8月25日発行号)掲載)