名ピアニスト、ラリー・ウィリスのラスト・レコーディング作
最後の録音となった伝説のルディ・ヴァンゲルダー・スタジオは奇しくも初レコーディングで訪れたスタジオであったビクター・ルイス(ds)等のベテランが参加した超一級のハードバップ作品!
2019年に惜しくも76歳で他界したベテランピアニスト、ラリー・ウィリス。1942年ニューヨークのハーレムに生まれ、マンハッタン・スクール・オブ・ミュージックで音楽理論を勉強した後、ジャッキーマクリーンのグループで演奏活動を始めた。1972年からはBlood、Sweat & Tearsのキーボード奏者として活躍したのは有名な話。その頃から幅広いジャンルのミュージシャンと交流、その後はナット・アダレイやジェリー・ゴンザレス率いるフォート・アパッチ・バンドでも活動した。
本作は、ラリー・ウィリスの最後のレコーディングになったが、皮肉にも60年間に及ぶジャズミュージシャンとしての最后のスタジオがラリーのアーティストとしてのキャリアを最初にスタートした場所、ルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオになった。22歳の時にBlue Noteレーベルのジャッキー・マクリーン『Right Now』にピアニストとして参加。アルバムにはラリーの2つの楽曲「Poor Eric」と「Christel's Time」が収録されている。その後RVGスタジオには何度も戻ってきて録音に参加している。このベテランのピアニストを伝説のスタジオに連れ戻したのは、何か運命を感じます。
本作の収録曲は9曲。ベテラン・ドラマーのヴィクター・ルイスが参加、またフォート・アパッチ・バンドで長い間一緒にプレイしたジョー・フォード(as)の参加も運命的である。内容はラリーが得意とした超一級のハードバップ作品。特にラストトラックに収められアルバムタイトル曲にもなったピアノ・ソロ演奏の「I Fall in Love Too Easily」は感動的である。
録音エンジニアは、モーリン・シックラー、ルディ・ヴァン・ゲルダーの意志を継いだ素晴らしい録音にも心が打たれる。他界するわずか1ヶ月前の録音、天井の高い自然のリバーブを生かしたサウンドがラリーの遺作に花を添えた。
発売・販売元 提供資料(2020/04/24)