予測不能な男、カニエ・ウェストの通算9枚目は、自身が主催する「サンデー・サービス(日曜礼拝)」を反映したゴスペル・アルバム。とは言え、ゴスペル色の強いチャンス・ザ・ラッパーなどを聴いた後では、インダストリアルな『イーザス』の頃と比べると、18年の『イエー』や『キッズ・シー・ゴースツ』同様、往年のカニエ・ファンには素直に楽しめる仕上がりだ。(1)で炸裂するゴスペル・クワイアを適所に配しつつも、カニエらしいラップ・チューンの先行シングル(3)、キャッチーなトラップ風(5)、ヴォーカルにアント・クレモンズを迎えた(7)、自身が歌う(8)などのR&Bも含め全編"楽曲自体の良さ"に惚れ惚れする。プシャ・Tとノー・マリスが参加し、ケニー・G御大のサックスまで登場する(10)の不穏なムードから開放的な高揚感へ昇り詰める構成力は、5曲を手掛けるティンバランドやウォーリン・キャンベルらバック勢の尽力もあるが、カニエの天才的奇才(?)の成せる技だろう。しかしこのままゴスペル道を突き進むかは怪しく、早くも次の動向が気になるところもまたカニエらしいのだ。 (C)岡本大輔
タワーレコード(2020/05/28)
ヒップホップ界、孤高の天才、カニエ・ウェスト。自ら主宰するゴスペル・プロジェクト<サンデー・サービス>を深化させ、更なる高みに達した"崇高"なる9thアルバム待望のCD化! (C)RS
JMD(2020/03/12)
孤高の天才、目指すのは神か。
全米アルバム・チャート9作連続1位獲得!ヒップホップ界、孤高の天才、カニエ・ウェスト。自ら主宰するゴスペル・プロジェクト「サンデー・サービス」を深化させ、更なる高みに達した"崇高"なる9thアルバム待望のCD化!
シングル・チャートでも7位に初登場した(11/9付 Billboard Hot 100)「フォロー・ゴッド」を始め、アルバム収録曲11曲全てが100位以内にランクイン!
本作はカニエ自身が教会で定期的に開催する"サンデー・サービス"の延長にあるゴスペルをコンセプトとしながらも、コンテンポラリーでカニエらしい斬新なサウンド・プロダクションとなっている。
本作はティンバランドが5曲で共同プロデュース、他にもベニー・ブランコ、ピエール・ボーン、マイク・ディーン、ウォーリン・キャンベルがソングライティング/プロデュースで参加、フィーチャリング・アーティストにはタイ・ダラー・サイン、クリプスらヒップホップ勢、ゴスペルシンガーのフレッド・ハモンド、サックス・プレイヤーのケニー・Gなど大御所、そして気鋭のソウル・シンガー、アント・クレモンズが参加するなど、新旧問わずカニエがキュレートした錚々たるメンバーが並んでいる。
<ゲスト参加アーティスト>
タイ・ダラー・サイン/クリプス/ケニー・G/サンデー・サービス・クワイア/アント・クレモンズ
発売・販売元 提供資料(2020/03/10)
以前より信仰心をアピールしてきたカニエの、注力する移動式の礼拝行事〈サンデー・サービス〉を形にしたゴスペル・アルバムがフィジカル化。冒頭からクワイアを前面に出してスピリチュアルなムードを漂わせ、自身のラップもどこか崇高さを感じさせる。またピエール・ボーンやロニー・Jといった現行最先端のプロデューサーの関与によってヒップホップ要素も加味。再結成クリプスの参加も聴きどころだ。
bounce (C)Masso187um
タワーレコード(vol.438(2020年4月25日発行号)掲載)