エイフェックス・ツインも夢中になるトランスから重力を奪ったレイヴ探訪記。
点描エレクトロニックの鬼才ロレンツォ・センニ
時代に王手をかける待望の最新作完成。
近年のヨーロッパにおけるトランスやレイヴ・ミュージック再考の発火点としてその才能に注目が集まり、エイフェックス・ツインがライブ・セットでヘビロテするほどその才能に惚れ込む点描エレクトロニックの鬼才ロレンツォ・センニが待望の最新アルバム『Scacco Matto』をリリース!!
〈Warp〉からの初リリースとなったEP『Persona』から4年、トランスを解体し、キックを存在させない独特のスタイルを追求してきた氏が遂に完成させた本作は先行シングルにしてシグネチャー・サウンド全開のハイパー・トラック「Discipline of Enthusiasm」を含む全8曲を収録。王手やチェックメイトを意味するタイトル通り、各曲ごとに"対戦相手"を設けて先手と後手、動と反動の構造に注力しながらトランスやレイヴ・ミュージックからポップス、さらにはクラシックまで参照された様々な要素をデジタル化してベン・デイ・ドットの技法でレーザー照射したような、自身のキャリアを総括した1枚となっている。またアートワークには老朽化した窓越しに見える絵画のように美しいカリフォルニアの風景、そして塗料で毀損された室内の壁とのコントラストがアルバム・コンセプトと合致することからアメリカの世界的写真家ジョン・ディヴォラによる作品が採用された。
発売・販売元 提供資料(2020/03/04)
エレクトロニックな音楽において、一聴してすぐに誰の音かわかるような圧倒的な個性を持っているアーティストはそう多くはないが、このロレンツォ・センニはその数少ないアーティストの一人だろう。ユニークな面々が多く所属するワープでも異彩を放つこのアルバムは、キックが存在しないながらもどこかリズミカルで、既存の枠組みには囚われない強烈なエレクトロニック。これからのシーンに欠かせない存在となるはずだ。
bounce (C)長谷川義和
タワーレコード(vol.438(2020年4月25日発行号)掲載)