アイルランド音楽を世界に広め、ゲール語による楽曲としては唯一全英チャートTop 5入りを果たし、グラミー賞やアイヴァー・ノヴェロ賞、ビルボード・ミュージック・アワードやBBC2フォーク・アワードなど数々の賞を受賞する、アイルランドが生んだ至宝の存在、クラナド。アイルランドのドニゴール州に住んでいた家族を中心に1970年に結成し、その後アイリッシュ・トラッドに極上のポップ・センスを加えた独自のスタイルで、ヨーロッパのみならず全米、アジア、そしてここ日本でも非常に高い人気を誇る彼女たちの活動50周年を記念し、その輝かしきキャリアを総括したアンソロジー的作品『IN A LIFETIME』がここに届けられた。
この50周年記念アンソロジー作品『IN A LIFETIME』は、彼女たちの輝かしいキャリアの中から厳選された37曲を収録した2枚組CDとメディアブック仕様のデラックス2枚組CD、さらに厳選された19曲を収録した2枚組アナログ盤、そして100曲以上もの楽曲を4枚のCDと3枚のアナログ盤、そして1枚の7インチ・シングルに収録した豪華デラックス・ボックスセットの4形態でのリリースとなる。また、このリリースを記念して、名手とレヴァー・ホーンのプロデュースによる最新曲2曲(「A Celtic Dream」と「Who Knows (Where The Time Goes」)のレコーディングも行われており、ともに今回のアンソロジー作品に収録されている。
1970年、ドニゴール州北西部に位置するグウィードアに住んでいたブレナン一家の兄弟、モイア・ブレナン、キアラン・ブレナン、ポール・ブレナンの3人に加え、彼らの叔父である双子の兄弟、ノエル・ドゥガンとポーリック・ドゥガンという2人とともに、父親が経営するパブで音楽を演奏し始めたのが、この世界的アイリッシュ・バンドのスタートだった。その後1973年にアルバム『CLANNAD』でデビュー、アイリッシュ・トラッドをメインとしたスタイルで地元アイルランドで大きな人気を博すバンドへと成長していったのだが、彼女たちの名を世界に広めることとなったのは、82年に英国のTVドラマ、『HARRY'S GAME』のテーマ・ソングを発表したタイミングだ。全編アイルランドの母国語となるゲール語で歌われ、幻想的な世界観を持つこの曲は、アイルランドでは最高位2位を、そしてイギリスでも5位を記録し、ゲール語で歌唱された楽曲として英国Top 5のヒットとなった唯一の楽曲となったのだ。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2020/02/14)
その後も映画やテレビ・ドラマに楽曲を提供しながら現在までに16枚のスタジオ・アルバムを発表、そのアイリッシュ・トラッドをベースにしたポップ・サウンドやニュー・エイジ的な世界観を持つ響きで世界中にアイルランドの神秘性と幻想性をサウンドで届けていく。彼女たちの存在があったからこそ、その後のコアーズの世界的ヒットや、ケルティック・ウーマン、リヴァーダンスなど世界からアイルランドへの注目を集めることができたといっても過言ではないだろう。
アイルランド出身のアーティストとして世界中に癒しを与え続けるエンヤは、クラナドで美しい歌声を聴かせてくれるモイア・ブレナンの妹であり、一時期クラナドにも参加していたのは、よく知られた事実だ。また、同じアイルランド出身で、世界的に絶大な人気を誇るU2とも親交が深く、ボーカルのボーノは85年にクラナドの楽曲「In a Lifetime」にゲストとして参加、見事な共演を聴かせてくれている。ボーノはクラナドの声であるモイアに関して、「今まで数多くの声を聴いてきたが、モイアの声は人類が耳にする最も素晴らしい声だ」とコメントを残している。もちろん、このアンソロジー作品のタイトルは、ボーノとの共演楽曲のタイトルからとられたものだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2020/02/14)