トータスのギタリストによるソロ最新作。
前作『The New Breed』(2016年)で高い評価を得て、ここ日本でも話題となったポストロックの代名詞=トータスのギタリスト、ジェフ・パーカーの最新作。ミニマル感とHIPHOP的なビート感が良い塩梅で融合したサウンドはエクスペリメンタルながらもどこかオーガニックな温かみも感じさせるのがこの人の絶妙さ!何度も聴きたい、聴きこみたくなるような傑作です。
(C)京都店:伊藤 達彦
タワーレコード(2020/02/07)
2020年2月に1998年の名盤『TNT』の完全再現公演で来日するポストロックの代表バンド、トータスのメンバーであり、平行してジャズ・ギタリストとしての活動も行なっているジェフ・パーカーの名盤の誉れ高き、2016年のリーダー作『The New Breed』(NPR、Observer、New York Times、Los Angeles Times、Jazz Standard、Bandcamp等にて、2016年の年間ベストに選出。日本盤は2017年リリース) に続く、新作アルバムが遂に完成。 (C)RS
JMD(2020/01/17)
2020年2月に1998年の名盤『TNT』の完全再現公演で来日するポストロックの代表バンド、トータスのメンバーであり、平行してジャズ・ギタリストとしての活動も行なっているジェフ・パーカーの名盤の誉れ高き、2016年のリーダー作『The New Breed』(NPR、Observer、New York Times、Los Angeles Times、Jazz Standard、Bandcamp等にて、2016年の年間ベストに選出。日本盤は2017年リリース)に続く、新作アルバム『Suite for Max Brown』が遂に完成。
ジェフと並ぶ看板アーティストでもあるドラマーのマカヤ・マクレイヴンのリーダー作等で日本でも近年注目が高まっているシカゴの新興ジャズ・レーベル、International AnthemとあのNonesuch Recordsとの共同リリースの第一弾アルバム(第一弾は2019年12月2日にリリースされたジェフのアルバムの先行シングル『Max Brown - Part 1』)となる本作は、『The New Breed』の姉妹作(『The New Breed』はジェフの亡き父親に捧げられたアルバムで、アルバムのアートワークにもフィーチャーされていたが、本作はジェフの母親がジャケットにフィーチャーされている。まだご存命の母親へ捧げられたアルバムで、アルバム・タイトルも母親の旧姓に因んでいる。)ともいえる作品で、前作同様にジェフがマルチ・インストゥルメンタリストやビートメーカーとして一人で制作した楽曲とThe New Breedというグループ名でライブ活動をするまでに発展した前作のレコーディング・メンバーが再び集結して制作された楽曲が収録されている。
『The New Breed』と同様プロデュースはジェフ自身と、エイミー・マン、アラン・トゥーサン、ノラ・ジョーンズの作品等で有名なポール・ブライアン(2018年のグラミーでエイミー・マンの2017年のアルバム『Mental Illness』のプロデューサーとして「Best Folk Record」を受賞)が担当(ミックスも担当し、ベースでも参加。ミシェル・ンデゲオチェロやルーファス・ウェインライトのライブにも参加するなどプレイヤーとしても活躍している)。
エスペランサ・スポルディングやミゲル・アトウッド・ファーガソン、リオン・ブリッジズとも共演してきたサックス奏者のジョシュ・ジョンソン、ロバート・グラスパー・トリオのメンバーで、先鋭的ジャズ・コレクティヴ、エリマージを率いる新世代ドラマー、ジャマイア・ウィリアムス(モーゼス・サムニーの2017年作『Aromanticism』にはドラマーとして、ソランジュの2019年作『When I Get Home』にはプロデューサーの一人として参加している)が脇を固めている。本作には更に二人のドラマーが参加しており、一人はレーベルメイトで何度も共演していて、日本でも人気上昇中のマカヤ・マクレイヴン(『The New Breed』の日本盤のボーナス・トラックとして収録されたリミックスも担当)、もう一人は『The New Breed』にも参加していたジェイ・ベルローズ(ポール・ブライアン関連作のみならず、ポーラ・コールの作品を中心に、エルトン・ジョン、ロバート・プラントとアリソン・クラウスのグラミー受賞作『Raising Sand』他、ジャンルに関係なく活躍)。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2020/01/14)
シカゴ・アンダーグラウンド・オーケストラ以降、何度も共演を重ねてきた盟友ロブ・マズレクがピッコロ・トランペット、ブライト・アイズ(コナー・オバーストのソロ作も)やエンジェル・オルセンの2019年作『All Mirrors』にも参加しているネイト・ウォルコットがトランペットで参加している。また、ジェフのバークリー音楽院時代の同級生で、現在はChicago Symphony Orchestraに在籍しているチェリスト、Katinka Klejin(2019年末来日したラリー・ウォーカーと共演作をリリースしている)も参加。
アルバムの冒頭を飾る「Build a Nest」には、前作収録の「Cliche」に引き続きChicago High School of the Artsの学生でもある17歳のジェフの娘さん、ルビー・パーカーのヴォーカルをフィーチャーしている。ジェフのオリジナル楽曲とともに、ジョン・コルトレーンの1963年作『インプレッションズ』収録の「After the Rain」のカヴァー、ジョー・ヘンダーソンの「ブラック・ナルシサス」をジェフ流に解釈した「Gnarciss」を収録。マスタリングも前作同様、Jディラ『Donuts』を手掛けたデイヴ・クーリーが担当。
現在進行形のサウンドと、古き良きジャスがバランスよく収録されており、ジェフのミュージシャンやコンポーザーとしての懐の深さを感じさせつつも、非常に才気溢れる作品となっている。
日本盤には2019年6月に7インチのソノシートのみでフィジカル・リリースされた、Madlibとのコラボでも知られるジョージア・アン・マルドロウ(ストーンズ・スロウ初の女性アーティストとしてデビューし、現在はブレインフィーダー所属)の「Blackman」(1stフル・アルバム『Olesi: Fragments of an Earth』収録曲)のカヴァー曲をボーナス・トラックとして収録決定。
◎ライナーノーツ封入:柳樂光隆
◎日本盤のみボーナス・トラック収録
(7インチのソノシートでリリースされた、Madlibとのコラボでも知られるジョージア・アン・マルドロウ(ストーンズ・スロウ初の女性アーティストとしてデビューし、現在はブレインフィーダー所属)のカヴァー曲をボーナス・トラックとして収録)(2/2)
発売・販売元 提供資料(2020/01/14)
トータス/アイソトープ217/シカゴ・アンダーグラウンド・トリオなどアプローチと機能により在籍する様々な活動と並走しソロ作品も精力的なジャズ・ギタリスト:ジェフ・パーカーの2020年名盤にして代表作。五線譜とペンからループとビートに夢中となり、学びと気付きの先に傑作『The New Breed』が生まれ、深化した本作でのヒップホップとジャズの関係性。マカヤ・マクレイヴンとジェイ・ベルローズの参加も贅沢だが、パーカー節ジャズを根幹にテクノやアンビエントも昇華したヒップホップのビートとジャズのスウィングの美しい到達点。ええやんええやん。
intoxicate (C)黒田"ハイプ"朋規
タワーレコード(vol.172(2024年10月10日発行号)掲載)
大反響を得た前作から引き続き参加の主要メンバーに、マカヤ・マクレイヴンとジェイ・ベルローズという2人のドラマーも加えた贅沢極まりない新作が完成した。ジェフの情感溢れるギターが美しいジョン・コルトレーン《After The Rain》のカヴァーや、ジェフ~マカヤ~ポール・ブライアンの3名で飛びきりグルーヴィな演奏を繰り出す《Go Away》などバンドのダイナミズムを伝える楽曲に、ジェフ単独のテクノな耳にも馴染みむ《Fusio n Swirl》、アンビエント風な《Metamorphoses》もあり、彼が年数をかけて追及してきた生演奏とビートメイカー的な側面が再び理想的なかたちで結実している。
intoxicate (C)青木正之
タワーレコード(vol.144(2020年2月20日発行号)掲載)