「ふられた気持ち」や「アンチェインド・メロディ」で知られるライチャス・ブラザーズのボビー・ハットフィールドが遺した音源が、長い時を経てファンの元に届けられた。
1971年、ニューヨーク生まれのプロデューサーであるリチャード・ペリーは、バーブラ・ストライザンドの『STONEY END』や、ハリー・ニルソンの『NILSSON SCHMILSSON』、女性グループ、ファニーの作品など、後に"名プロデューサー"として讃えられるきっかけとなるアルバムを次々と手掛けていた。そしてその頃、ライチャス・ブラザーズとしてフィル・スペクターのフィレス・レコードから「ふられた気持ち」や「アンチェインド・メロディ」などのヒットを放っていたボビー・ハットフィールドはデュオを離れ、ソロ・アーティストとしてのキャリアを模索していたという。
その二人が出会い、1971年12月にロンドンのアップル・スタジオでレコーディングを行った。リンゴ・スターやアル・クーパー、クラウス・フォアマンが参加したこの時のレコーディング音源は、そのほとんどがリリースされることなく、一部完成、一部未完成のまま埋もれていた。それらを集めたのが、今回リリースされる『STAY WITH ME: THE RICHARD PERRY SESSIONS』である。アルバムには、1972年の春と秋にそれぞれシングルとしてリリースされた「Stay With Me」と「Oh Wee baby, I Love You」をはじめ、ジョージ・ハリソンの「What Is Life」や「Sour Milk Tea」のR&B風ヴァージョンや、マーヴィン・ゲイの「Baby Don't You Do It」、そしてコール・ポーターの「In The Still Of The Night」のゴージャスなカヴァーなどの楽曲が、シングル・ヴァージョンや別テイクなどを含め13曲収録されている。
『STAY WITH ME: THE RICHARD PERRY SESSIONS』は、一部完成、一部未完成の楽曲を集めたコレクションである。アルバムとして発表されることはこれまでなかったが、しかしここに収録された音源は、聴くものに"素晴らしい音楽が生まれる瞬間"に立ち会わせてくれる、そんな貴重な機会を与えてくれるのだ。
発売・販売元 提供資料(2020/01/24)