I Am The Cosmos

1978年に不慮の交通事故で突然この世を去った、クリス・ベル。アレックス・チルトンとともに、"元祖パワー・ポップ・バンド"、ビッグ・スターのオリジナル・メンバーとして知られる彼だが、その生涯の中でバンド解散後に発表した音源は、Car Recordsからリリースされたシングル1枚のみだった。しかし、27年の短い人生で彼が遺した音楽的遺産は、それだけではなかった!

彼の死から約14年経った1992年に発表されたアルバム『I AM THE COSMOS』は、そのクリスが生前、1974年から1975年の間に、フランスはパリにあるシャトー・デルヴィーユ (Chateau d'Herouville)とアメリカはメンフィスにあるシュー・スタジオ(Shoe Studios)、アーデント・スタジオ(Ardent Studios)でレコーディングした音源を集めた作品である。本作は、2009年、そして2017年にそれぞれボーナス・トラックを加えた形でCDとして再発されているが、この点からもこの作品がいかに高く評価され、またファンから愛されているのかが分かるだろう。

『I AM THE COSMOS』のアナログLPは2017年に一度、CD2枚組からなる同アルバムの"エクスパンデッド・エディション"がリリースされた時に、限定盤クリア・ヴァイナルで発売されているが、今回待望のブラック・ヴァイナルでの復活となる。

パワー・ポップ・シーンは勿論、90年代のオルタナティヴ・シーンに大きな影響を与えたビッグ・スターの核である彼の『I AM THE COSMOS』。今でも根強いファンを持つ彼の音楽性を改めて知ることのできる1枚である。

Unreleased for over 15 years, I Am the Cosmos is nevertheless an enduring testament to the brilliance of Chris Bell; lyrically poignant and melodically stunning, this lone solo album is proof positive of his underappreciated pop mastery. While cuts like "Get Away," "I Got Kinda Lost," and "Fight at the Table" recall the glowing, energetic power pop of Bell's earlier work, the majority of the songs on I Am the Cosmos are more reflective and deeply personal; the title track is a harrowingly schizophrenic tale of romantic despair, while other cuts like the lurching "Better Save Yourself" and the lovely "Look Up" are infused with a spiritual power largely missing from his Big Star material. The album's highlight, "You and Your Sister" -- which features backing vocals from none other than Bell's Big Star mate Alex Chilton -- is simply one of the great unknown love songs in the pop canon, a luminous and fragile ballad almost otherworldly in its beauty. ~ Jason Ankeny