ファンが待ち望んでいたスタジオ・アルバムとしては6年ぶりのニューアルバムは盟友をバックに従えストリングスも加えた豪華内容。ヴォーカル曲も収録したメセニーの新たな世界がここに!新曲10曲収録した、待望の新作が全世界同時発売。 (C)RS
JMD(2019/12/03)
「『From This Place』は、幅広いカンバスに無限に広がっていくような、様々な表現法を組み込んでいる。僕の人生の中でずっと制作を待ち望んでいた作品の一つだ。洗練されたミュージシャンと、数えきれないほどの回数共に演奏したことで、様々な表現法を身に着けることができたんだ。そんな素晴らしき音楽の集大成と言える作品だよ」 ─ パット・メセニー
2020年2月21日、ファンが待ち望んだ、スタジオ・アルバムとしては実に6年振りとなるパット・メセニーの新作『FROM THIS PLACE』がノンサッチ・レコーズより遂に発売となる! パット・メセニーと長年共に演奏し続けていたドラマー:アントニオ・サンチェスをはじめ、マレーシア/オーストラリア人のベーシスト:リンダ・オー、イギリス人のピアニストであるギレルモ・シムコック、そしてジョエル・マクニ―リー率いるハリウッド・スタジオ交響楽団が参加したこの新作には、ヴォーカル曲を含む新曲10曲を収録、メセニーの新たなる世界が繰り広げられている。
加えて、スペシャル・ゲストとしてミシェル・ンデゲオチェロ(ヴォーカル)、グレゴア・マレ(ハーモニカ)、そしてルイス・コンテ(パーカッション)というスペシャル・ゲストも参加。新規ゲストを取り入れるのは、2014年発売された作品『Kin (←→)』以来である。
30年以上の時を経て、ジャズというジャンルのみならず、ありとあらゆる音楽を制作し続けてきたパット・メセニー。7つの作品を通じて、12ものカテゴリーより20のグラミー賞を受賞している。これほどの数を短期間で受賞した、唯一無二のバンド・リーダーであるといえるだろう。代表的な作品として、様々なアワードを受賞したソロ・アルバム、ハリウッドに提供した楽曲の数、そしてオーネット・コールマン、スティーヴ・ライヒ、チャーリー・ヘイデン、そしてブラッド・メルドーなどの数々の素晴らしきアーティスト達とのコラボレーションなどもあげられる。
その輝かしいキャリアを称え、GUARDIAN誌はメセニーをこう評している。「過去40年振り返ってみても、パット・メセニーほどの魅力を感じることができるアーティストは一握りだ。彼は即興演奏においても名人的な才能を発揮し、人の心をつかむような素晴らしい作曲能力を4世紀に渡り披露してくれた」 ─ GUARDIAN誌
発売・販売元 提供資料(2019/11/25)
メセニー節と呼ぶような、おなじみの流れるようなメロディは勿論、盛り込まれているから、聴いていて心地よいのは確かだ。ゆえに四つ星は与えていいだろう。問題は本作のコンセプトだろう。モノクロームの竜巻の写真や荒凉たる原野に寂しく建つ電柱群を配したジャケットは、何を物語るのか。ボーカルを挿入したタイトル曲の歌詞からしても、おそらく現代人の精神状況の不毛と不安を訴えていて、光明が見えない現代に内省的な考察を試みたことは容易に分かる。では全編に通じるマイナーな曲調は、未来への絶望なのか。おそらくメセニーの人柄から推理すれば、そうした悲観論は持つまい。であるなら、もっと未来の再生を思わせるような、明るく情熱的な曲があっても良かったと、私は思う。