アデルやキング・クルール等を輩出した名門音楽学校<ブリット・スクール>出身の新鋭シンガー・ソングライター=レックス・オレンジ・カウンティ。2015年、自主制作アルバム『ビコーズ・ユー・ウィル・ネバー・ビー・フリー』をリリース。同作品がタイラー・ザ・クリエイターの耳をとらえ、彼の4作目のアルバム『フラワー・ボーイ』に参加し、その比類稀なる早熟な才能は海を越えアメリカでも話題に。2018 年、『BBC Sound Of 2018』で栄えある2位に選出。数々の著名人を虜にする神童が、前作『アプリコット・プリンセス』から2 年、3rd アルバムとなる『ポニー』をリリース。同作は東ロンドンにあるストロングルーム・スタジオにて制作され、作詞、作曲、録音、演奏のほぼ全てをレックスが手掛けている。これまでも親交のあるベン・バプティが共同プロデューサーとして参加。ソウル、ロック、ヒップ・ホップ、さらにはクラシカルな音楽を全て呑み込み、多幸感溢れるサウンドに昇華。ジャンルの垣根を超えた傑作が誕生! (C)RS
JMD(2019/12/24)
弱冠21歳、タイラー・ザ・クリエイターもその才能に惚れた俊英シンガー・ソングライターが待望の新作をリリース。ベニー・シングス、ランディ・ニューマンら先達とのコラボも経ての本作は、これまで以上にオーセンティックなソングライティングが発揮された傑作だ。前作で印象的だったジャズのエッセンスは薄れ、代わりにアメリカのルーツ・ミュージック~オールディーズ的要素が感じられる。ヴィンテージな質感を湛えた歌声も相まって、古き良き時代の映画などを想起させるようなエヴァーグリーンな輝きを放っているが、決して懐古主義というわけではなく、ビートの質感やピッチアップした声ネタ使い、分離の良いプロダクションなどが同時代性を演出。Z世代による新たな名盤がここに。
bounce (C)保坂隆純
タワーレコード(vol.433(2019年11月25日発行号)掲載)