Yours Truly＜Black Vinyl＞

アリアナ・グランデのデビュー・スタジオ・アルバム『Yours Truly』のLPが発売!

2013年9月3日にリパブリック・レコーズからオリジナル・リリースされたアリアナ・グランデのデビュー・スタジオ・アルバム。アリアナがリスペクトするホイットニー・ヒューストンやエイミー・ワインハウス、クリスティーナ・アギレラ、マライア・キャリーなどのアイドルたちの影響を受けた"90年代R&B"色の強いA面と、アリアナの個性が発揮された独創的なB面の全12曲を収録。うち6曲でアリアナもソングライトに参加。中には3年かけてじっくり仕上げたという曲も。ビッグ・ショーン、MIKA、マック・ミラーがゲスト参加。アダルト・コンテンポラリー・ミュージックやダンス・ミュージックの味付けも絶妙。

ブラック・ヴァイナル

The debut album from Ariana Grande, 2013's Yours Truly, is a surprisingly sophisticated and unique showcase for the Nickelodeon sitcom star's soulful R&B vocals. As the character Cat Valentine on several Nickelodeon television shows including I Carly, Victorious, and Sam & Cat, Grande developed a huge fan following and the expectations were high for her debut album. Three years in the making and held up by numerous delays, Yours Truly lives up to those expectations. Produced by Kenneth "Babyface" Edmonds, Yours Truly is an impeccably engineered affair. In fact, one would be hard-pressed to find a better platform for Grande's voice. A resonant singer gifted with a lithe affinity for both high-energy melisma and gentle balladry, Grande often brings to mind the intonations of Mariah Carey. Of course, with Edmonds at the helm, along with a bevy of commercially minded songwriters, the Carey comparisons are unavoidable and most likely intentional. Thankfully, Grande has the chops to pull it off, and Yours Truly makes the most of her talent. To these ends, tracks like the opening "Honeymoon Avenue," with its sophisticated orchestral intro, and the bright and funky "You'll Never Know" sound like lost early-'90s R&B hits. Though Grande has the talent to carry the album on her own steam, several tracks team her with guest performers, including the single "The Way," which features rapper Mac Miller; "Right There" with Big Sean; and "Popular Song," featuring Mika. Ultimately, cuts like "Baby I" and the jazz-inflected showstopper "Almost Is Never Enough," featuring the Wanted's Nathan Sykes, are bravura pop recordings that bring to mind the best of the '90s and of now. ~ Matt Collar

同じスクーター・ブラウンが面倒を見るジャスティン・ビーバーのツアー参加や彼との親密なあれこれも仕込んでツカミはOK、この『Yours Truly』が見事に全米No.1デビューを飾ったアリアナ・グランデ。とにかく最高のアルバムだと最初に言っておくけど……ビッグ・ショーンとの"Right There"でリル・キム"Crush On You"と同じジェフ・ローバー"Rain Dance"をベタ敷きしていたり、"Lovin' It"でのメアリー使いだったり、バッド・ボーイ～トラック・マスターズ的な意味での90年代連想ゲームへ中年を誘う作りは意図的なのだろう。とはいえ、主役の溌剌としたオーラから連想されるのは、それより後の時代だったりする。全体的な瑞々しさからすぐ結び付いたのは、まさにバッド・ボーイの方法論を再利用してマーダー・インクがブレイクさせた頃のアシャンティ。その"Baby I"なんてモロにアシャンティ+ノディーシャみたいなウキウキ感がたまらんし、そう考えるとマック・ミラーとの先行ヒット"The Way"もタリア&ファット・ジョー"I Want You"(2003年)まんまに響いてくる。その頃も〈90年代リヴァイヴァル〉なんて騒がれていたので当然と言えば当然だろうが、ともかくここでは爽快なヤング・アーバン女子たちが次々に跳ねて、マライアの復活があって、シアラの進化があって、リアーナが〈Gone Bad〉するまでの時代のフィーリングが息を吹き返しているように感じるのだ。まあ、そんなゴチャゴチャした話はさておいても、総監督のハーモニー・サミュエルズが要所にオーセンティックな仕掛けも用意しながら時流にも巧妙に添わせた結果、聴き手の記憶の分量を問わない作りになっているのは流石。この愛くるしい笑顔に騙されるな……というか積極的に騙されて、こういうワクワクするようなポップネスがもっと広がってほしいのです! マジで!
bounce (C)出嶌孝次

幼い頃から芸能界に憧れ、ブロードウェイを経て2010年にTVドラマ「ビクトリアス」で全米中のティーンを虜にした20歳、アリアナ・グランデ。しかし、本当のシンデレラ・ストーリーはまだ始まっていなかった!? ファースト・アルバム『Yours Truly』をUSチャート初登場1位に送り込み(デビュー作の全米1位は女性ソロ・アーティストとしては歴代15人目の快挙!)、このたびシンガーとして上々すぎる滑り出しを切ったのです。メアリーJ・ブライジ"Real Love"をネタ使いした"Lovin' It"など、全編に渡って90年代のR&Bリヴァイヴァル・ムードが感じられ、そんななかでマック・ミラーをゲストに招いたのも効果てきめん! 大半の曲にベイビーフェイスが関与し、とりわけウォンテッドのネイサンが客演したピアノ・バラード"Almost Is Never Enough"における、雰囲気でごまかさない丁寧なメロディーにウットリしてしまいました。また、〈ヤング・マライア〉なる呼び声に応え、ところどころでホイッスル・ヴォイスを披露したり、オールディーズ風の"Tattooed Heart"や"Daydreamin'"で"Forever"の影をちらつかせたりするサーヴィス精神も素晴らしく、これは彼女と同世代のファン以上に、その親たちの心もガッチリ掴みそうですよ!
bounce (C)山西絵美