ダーク・インダストリアルなヘヴィ・サウンドと、力強くもエロティシズムを感じさせる魔性の歌声とを融合させる、現メタル・シーン屈指のメタル・ディーヴァ、マリア・ブリンク率いるイン・ディス・モーメント。彼女たちのダークな世界観はサウンドだけでなく、そのシアトリカルで強烈なインパクトを持つパフォーマンスにも色濃く表れており、マリア・ブリンクの魔性と母性が聴く者/観る者を強引に高揚させていくその存在感は、数多くある女性ヴォーカリストを擁するバンドの中でも唯一無二の存在感を放っている。
イン・ディス・モーメントというバンドの「ダークさ」をさらに推し進めた2017年の前作『RITUAL』は全米ハード・ロック・チャート3位を記録し、その後のツアーでもそのダークな世界観に寄せたシアトリカルな演出とダーク・ディーヴァとしての存在感を見せつけるマリア・ブリンクのパフォーマンスで、世界を震撼させた彼女たちが、約3年振りとなる通算7作目の最新作『MOTHER』を完成させた…!
彼女たちは2018年からすでにこのアルバムの準備を始めていたのだが、その新作への期待感は、バンドがオフィシャルのSNSでレコーディングに関する情報を少しづつ公開するたびにヒートアップしていき、Alternative Press誌やLoudwire、Revolverといったメディアからは「最も期待すべき最新作」として挙げられるほどに。そのまさに「待望」となる最新作が、遂にここに届けられたのだ!
ラス・ヴェガスにあるThe Hideout Recording Studiosにて、オジー・オズボーンやパパ・ローチ、ディスターブドやファイヴ・フィンガー・デス・パンチらとの仕事でも知られる、イン・ディス・モーメントにはお馴染みのプロデューサー、ケヴィン・チャーコと共に制作されたこの最新作『MOTHER』は、前作で見せたダークさはそのままに、そこに初期にあった激しさ/ヘヴィさをさらに突き詰めていった、究極のヘヴィ・アルバムとなっている。その怒涛のヘヴィネスっぷりは、アルバム情報とともに公開された新曲「The In-Between」を聴けば一目瞭然だ。荘厳なクワイヤからマリアの激情を秘めた歌声へと続き、重量級のヘヴィ・リフとともに激しさを増していくこの曲は、その究極のダークさとヘヴィさ、そして聖性すら感じさせる母なるマリア・ブリンクの存在感に、身をゆだねるしかないほどの説得力を持っているのだ。
ほかにも、マリアと同様に女性ヴォーカリストとしてシーンを牽引するヘイルストームのリジー・ヘイル、そしてプリティ・レックレスのテイラー・モムセンをゲストに迎えて壮大な世界観であのクイーンの大ヒット曲をカヴァーした「We Will Rock You」や、今作に伴うツアーでもサポートとして参加する新世代NU-METALアクト、DEDのジョー・コテーラとの共演でモダン・ヘヴィな音像を吐き出す「Hunting Grounds」など、話題性にも満ちた楽曲全14曲がひしめき合っている。
発売・販売元 提供資料(2020/02/14)
妖艶にして深奥、そして、楽曲のスケール感をさらに高めた7枚目のアルバム。呪術的な要素を宿した前作『Ritual』を踏み台に、今作では自身のアイデンティティーを突き詰めることに成功。表題曲はまさしく紅一点マリア・ブリンクの母性が開花したシンガロング必至なアリーナ仕様の一曲だ。他にクイーンのカヴァー"We Will Rock You"ではリジー・ヘイル、テイラー・モムセンの女性ヴォーカルを豪華フィーチャー。
bounce (C)荒金良介
タワーレコード(vol.437(2020年3月25日発行号)掲載)