アーサー・ラッセルのパートナーのトム・リーとオーディカ・レコードのスティーヴ・ナットソンによるラッセル・アーカイヴ・シリーズ。トレードマークとも言える感覚に包まれた、ラッセルのまったく独自のソングライティングの驚異的なコレクションとなる全19曲。
収録曲のいくつかは、もともとデモとして録音されたもので、その中には、コロンビア・レコードの伝説的プロデューサー、ジョン・ハモンドのもとでの吹き込みも含まれる。ラッセルが1970年代初頭に書いた、最近発見されたフォーク・ソングもあれば、彼がニューヨークのアヴァンギャルドやディスコのシーンに傾倒している様子を歌ったポップでダンサブルな楽曲もある。そして、これまでマット・ウルフによるドキュメンタリー『ワイルド・コンビネーション:アーサー・ラッセルの肖像』において、心臓が止まるような短いモノクロのクリップのなかでだけ聴くことができた、待望久しい「You Did It Yourself」は、ドライヴするファンク・リズムとラッセルの並外れた歌声が、その力の頂点にまで高まっていることがわかる。『アイオワ・ドリーム』で、田舎の少年がほかの世界と出会うさまを聴くことができる。
発売・販売元 提供資料(2019/12/17)
アイオワの少年、ディスコ神秘主義者、シンガー・ソングライター、作曲家、そして反響の世界(world of echo)の奥深くにいる強烈な完璧主義者、アーサー・ラッセルのアーカイヴ・シリーズ最新作! (C)RS
JMD(2019/10/29)
NYアンダーグラウンドの優しきアイコン、アーサー・ラッセル。ワールド・オブ・エコー、ダイナソーLなどのレフト・フィールド・ディスコ、はたまたチェロを駆使したアシッド・フォークや即興セッション、前衛とポップの際を飄々と駆け抜けた彼の発掘音源はまだあった! 今作はアーサーの幅広い音楽性を網羅し全貌を堪能するのにうってつけでありつつ、新しい側面も見せてくれる。特にモダン・ラヴァーズのメンバーと繰り広げるV Uフォロー的楽曲には納得と意外が同居。ポートレートの長髪姿も彼の新たな一面を象徴しており、アイオワから都会を夢見、羽ばたいた青年の純粋な眼差しに心ときめく。
intoxicate (C)片切真吾
タワーレコード(vol.144(2020年2月20日発行号)掲載)