かつてデヴラージと呼ばれた漢、D.L a.k.a. BOBO JAMESによる極上のサンプリング・ミュージック。<You can let the good man down.>と昔の賢人が言っていたように、良い曲を眠らせておいてはいけない。これらは強い意志を感じる言葉以上のものが込められたトラック群。昔から聴いてきた感覚を覚えつつも、これからも聴かれ続けていくであろう、何年たっても色褪せない、いつの時代にも通用する作品力のあるオリジナルの楽曲に、ボーナストラックを。正にどこを切っても真っ黒なD.L / GROOVE & BEAT / ブッダ印のオーパーツ。BY FAR THE ILLEST!!D.L a.k.a. BOBO JAMESのソロ第3弾、ここに登場。 (C)RS
JMD(2019/11/02)
年頭にDJ MUTAによる素晴らしいミックスCDが出たこともあって、ようやく機が巡ってきた……感じがするのは筆者だけではないだろう。実に7年ぶりのリリースとなったD.Lの3作目は名盤『KUROFUNE 9000』以来となるインスト集。トラックの由来は副題の示す通りながら、本人の弁によれば、約15年の間に作ったビートをベースにしているようだ。ただ、蔵出し音源を集めた出土品とはいえ、過去の尺度で測れないあたりはまさにオーパーツ。冒頭の"Suginami Underground"から美しく歪んだ無骨なループだけで雄弁に風景描写してくる、空間処理能力に長けたビートのスピリチュアルな煌めきは圧倒的にタイムレスだ。この粋でいなせな黒さに酔わされながらILLDWELLERSの始動を待て! とか言っとく。
bounce (C)出嶌孝次
タワーレコード(vol.332(2011年5月25日発行号)掲載)